コラム

リンパの流れが悪いとどうなるの?

リンパの滞りがなくなって、すっきりしている女性
目次

リンパとは

リンパの流れ図

リンパとは、血管のように全身に張り巡らされているリンパ管と、全身の要所に存在するリンパ節とリンパ性器官を合わせた総称です。

リンパには、全身の老廃物や余計な水分を回収する 浄化機能、リンパ節をフィルターにして細菌やウイルスをブロックする 免疫機能の、主に2つの役割があります。

浄化機能の説明

浄化機能は、川の流れをイメージするとわかりやすいでしょう。

透き通った川の水は勢いよく、滞りなく流れていますが、しかし時間が経つにつれ、大きな石が増え、投じられたゴミが溜まっていくと、流れの速さは衰えて、水も濁り浄化することができなくなります。

同様に、リンパの流れが滞りやすい生活習慣を長年送っていると、リンパの浄化機能は低下してしまうのです。

免疫機能の説明

免疫機能は、低下すると分かりやすく「リンパ節が腫れる」という現象が起こります。

例えば風邪をひいたときには、リンパ節にリンパ球が溜まり、そこにある細菌やウイルスと戦います。これは体の表面から触れる浅部リンパに限った現象ではなく、内臓の調子が悪い場合にも、そこにリンパが集中していくのです。リンパの滞りは免疫機能が低下しているサインでもあります。

リンパの流れが悪くなる原因

リンパの流れを作る、筋ポンプ作用のイメージ図

リンパの流れが悪くなるのには、リンパの構造そのものと日常生活の、主に2つの原因があります。

リンパの構造

血管と同じように全身に張り巡らされているリンパ管ですが、血管とは異なり、心臓のようなポンプも筋肉も持ちません。しかし、体の末端から中央へ向かって、必ず一方通行に流れています。リンパ管には逆流を防ぐ弁が備わっているためです。

では、流れを作り出しているパワーは、一体どこからきているのでしょう?

リンパの流れを作っているのは、リンパ管の周辺の骨格筋です。周りの筋肉が収縮することで、押し出されたリンパは正常に流れていきます。そのため、周りの筋肉が硬くなると、血行と一緒にリンパの流れも悪くなるのです。

また、血管の血液が約40~60秒で全身を一周するのに対し、リンパ管のリンパ液は約12~24時間もかかると言われています。筋肉の働きが衰えれば、この時間も長くなってしまいますから、体の中で老廃物が流れ続けている時間が増えてしまいます。

日常生活

私たちの生活は、例えば十年前と比べても、大きく変化しています。

パソコンだけでなくスマートフォンの登場、新型コロナウイルスの流行によるテレワークの増加と、運動量の低下。そして長時間のデスクワーク…

これらの生活様式は、私たちの体を流れるリンパの機能を、毎日少しずつ低下させてしまっています。ほんの少しの違いでも、毎日積み重なれば深い滞りとなってしまうのです。

リンパの流れが悪いとどうなる?

リンパの流れが悪くなるとどうなる?

以上のような原因でリンパの流れが悪くなると、リンパの2つの機能が低下してしまいます。

浄化機能が低下すると…

むくみ、こり

体に余分な水分が溜まって、全身がむくみます。特に足のむくみが気になる方は多いでしょう。

こりは筋肉の硬さですが、筋肉が硬くなるとリンパの流れも悪くなり、そしてリンパの流れが悪いと疲労物質が溜まって、また筋肉が硬くなる…という悪循環が生まれてしまいます。

・冷え

リンパの流れが悪くなり、むくみやこりが溜まると、血流の悪化も引き起こされます。

そのため末端に十分な血液が行き届かず、冷えを感じることが増えるのです。

下半身太り、痩せにくくなる

本来、ひとの体は簡単には太れないようにできています。

「骨太」という言葉がありますが、実際には成人になると、解剖学的な構造の違いは骨にはほとんどありません。その骨格の上に筋肉と脂肪がつき、スタイルが決定していくのです。

そのため、リンパの浄化機能が正しく働いていると、自然とバランスの良い、骨格に合った体格になることができます。反対にリンパの流れが悪くなると、下半身だけが太ったり、とあるパーツが大きくなったり、ある体重から痩せにくくなってしまいます。

免疫機能が低下すると…

免疫力の低下

外部の異物と戦うリンパ球の働きが低下してしまうため、病気や怪我からの回復が遅くなります。

「風邪をひきやすい」「頭痛もち」「生理痛がつらい」など、体質として諦めていた症状の数々が、リンパの流れの悪さで引き起こされている方も少なくありません。

・肌トラブル

「赤ちゃん肌」には誰でも憧れるもの。メリハリがあって、色つやがよく、でき物がなく、何より健康的です。

これは赤ちゃんが若いからだけではなく、世界で最もリンパの流れが滞っていないためです。生まれたての赤ちゃんのリンパが滞るのは稀で、スルスルと隅々まで流れているのです。

表面を外部からどれだけケアしても、解決しない肌トラブルの場合、その原因は体の内側、リンパの流れにあるかもしれません。

リンパの流れが気になる人は半健康症候群かも

リンパの流れが滞っている感じがする人は、半健康症候群の可能性があります。

半健康症候群イラスト

半健康症候群とは東洋医学の未病という概念と西洋医学の病気の概念の中間にある、病気ではないけれど辛い状態のことを指す状態です。

半健康症候群は自覚があまり出づらく本人も気づかずにいることが多い状態です。

中でも首コリはその代表例で首がかなり凝っている状態 = 半健康症症候群であると言えるほど、日々の体調や身体の不調に大きな影響を与えています。

自分で首コリを診断するのは非常に難しいため、LINEで簡単にできる、チェックテストをご用意しました。下記のバナーをクリックしてぜひご自身の首の状態を調べてみてください。

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深部リンパの流れが悪くなると…

深部リンパの流れが悪くなると、どうなる?

リンパは体表面だけでなく、体の深部にも流れています。この深部リンパの流れが悪くなると、むくみやこりなど、皮膚から見ることのできるわかりやすい症状だけではなく、体の深部で症状を引き起こします。

・内臓の調子が低下する

特に消化器の機能が低下します。便秘がちとなり、それに伴う腹痛や肌荒れを誘発します。

・疲れやすくなる

「寝ても疲れが取れない」「休日はずっと横になっている」などの慢性疲労は、疲労の積み重ねで引き起こされます。同時に、表面のリンパの停滞を放っていた状態でもあるため、深部のリンパにも疲労物質が多く溜まっています。

この状態になると、便、尿、汗が以前と比べて減っているはず。そして減った分だけ、古い水分・老廃物として、体の中に溜め込んでしまっているのです。

リンパの流れ改善にはリンパマッサージ!

リンパの流れを改善するには、リンパマッサージが最適です。

いかがでしたか?

リンパの流れが悪くなると、全身に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

表面だけでなく深部のリンパまで流れが悪くなっている場合は、より症状も重くなりがちです。

リンパの流れを改善する、最も効果的な方法は、リンパマッサージです。

当院のリンパマッサージは、国家資格を有したセラピストが、表面だけでなく深部リンパまでのケアを行っています。

リンパの流れが悪くなったことによる症状にお悩みの方は、お気軽に当院カウンセラーまでご相談ください。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

(社)経絡リンパマッサージ協会 代表理事
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
現在は東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学の非常勤講師を務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。