コラム

膝裏が痛い時は、どうしたらいい?原因の見分け方と対処法

膝裏が痛くて、歩くのがつらい女性
目次


「ぶつけた覚えもないのに、膝の裏がじわじわ痛む」「押すとコリコリした感触がある」「曲げるとつっぱる」――。

膝裏の痛みは、当院でも施術中にご質問いただくことがとても多い症状です。

膝裏の痛みには、病気が隠れているケースと、リンパや血流の滞りによって起こるケースがあります。

対処法はこの2つで大きく変わるため、まずは見分けることが大切です。

この記事では、銀座で30年、経絡リンパマッサージと鍼灸の施術を行ってきた立場から、病院に行くべき症状のセルフチェック、膝裏が痛くなる原因、そして今日からできるツボ押し・リンパマッサージのやり方までを解説します。

まず確認:病院に行くべき膝裏の痛みかセルフチェック

膝裏が痛い時に病院へ行くべきか説明する医師と看護師

最初に、医療機関の受診が必要なサインを確認しましょう。

次のいずれかに当てはまる場合は、セルフケアで様子を見ずに受診してください。

  • 膝や膝裏が腫れていて、触ると熱をもっている
  • 歩けない、または体重をかけられないほど痛い
  • 膝裏がぼこっと膨らんでいる
  • 片脚だけふくらはぎが腫れて痛む(長時間のフライトやデスクワークの後は特に注意。息苦しさを伴う場合はすぐに救急受診を)
  • 痛みが数週間続いている、またはだんだん悪化している

一方、歩行に支障はなく、膝裏を押すとコリコリした感触がある、夕方になると脚のむくみと一緒に張ってくる――というタイプの痛みは、膝裏にあるリンパ節の滞りが関係していることが多く、セルフケアの対象になります。

判断に迷う場合は、まず整形外科で診てもらってから、セルフケアを始めてください。

膝裏が痛い時に考えられる原因

膝裏の痛みの原因は、大きく「病気によるもの」と「病気ではない、巡りの滞りによるもの」に分けられます。

病気が原因の場合:注意したい7つの疾患

膝裏が痛くて、膝に手をあてて痛みを我慢している女性

疾患名特徴的な症状
半月板損傷膝が曲げづらい、腫れ、熱っぽさやこわばり
靭帯損傷膝を伸ばすと痛い、膝がぐらつく不安定感
ベーカー嚢腫膝裏がぼこっと膨らむ、押しても痛みは少ない、曲げると違和感
変形性膝関節症階段の上り下りがつらい、膝に水がたまる、動かすとゴリゴリ・ポキポキと音がする
関節リウマチ手指の関節も腫れる、朝のこわばり、全身のだるさ
深部静脈血栓症長時間同じ姿勢の後に片脚のふくらはぎが腫れて痛む。息苦しさを伴えば緊急
反張膝膝が反りかえるように伸びすぎる、かかと重心、太ももの筋力低下

これらに当てはまる症状がある場合、マッサージで対処できる範囲を超えています。

自己判断でもみほぐさず、整形外科(深部静脈血栓症が疑われる場合は循環器内科・救急)を受診してください。

病気ではないのに膝裏が痛い場合:リンパの滞りと筋肉のこわばり

病気ではないけれど辛い、半健康症候群のイラスト

検査をしても異常がないのに膝裏が痛む。

その多くに関わっているのが、膝裏にある「膝窩(しっか)リンパ節」の滞りです。

膝裏は、ふくらはぎから戻ってくるリンパの通り道です。

デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢が続くと、ふくらはぎのポンプ機能が働かず、膝裏に水分や老廃物が滞ります。

これが周囲の組織を圧迫し、張りや鈍い痛み、押した時のコリコリした感触につながります。

「病気ではないけれど辛い」このような状態を、当院では半健康症候群と呼んでいます。

こんな膝裏の痛みはどのタイプ?

膝裏の痛みを我慢している女性

曲げると痛い・つっぱる

正座やしゃがむ動作で膝裏がつっぱる場合、太もも裏〜ふくらはぎの筋肉のこわばりと、膝裏のむくみが重なっていることが多い症状です。

膨らみを伴う場合はベーカー嚢腫の可能性もあるため、一度受診を。

歩くと痛い・立ち仕事の後に痛い

夕方や仕事終わりに強くなる痛みは、リンパの滞りタイプの典型です。

むくみと連動しているなら、この後ご紹介するセルフケアで変化が出やすいタイプです。

歩き始めの痛みや階段での痛みが続く場合は、変形性膝関節症の初期のこともあるため受診をおすすめします。

押すとコリコリする・鈍く痛む

膝裏を押した時のコリコリは、滞った老廃物や硬くなった組織の感触です。強く揉みつぶすのは逆効果で、やさしく「流す」ケアが向いています。

ぼこっと膨らんでいる

痛みが少なくても、膝裏の膨らみはベーカー嚢腫が疑われます。マッサージで潰そうとせず、整形外科で診てもらってください。

総院長・渡辺佳子の視点

30年施術をしてきて、いちばんお伝えしたいのは「強く押すほど効く、は誤解」だということです。

リンパは皮膚のすぐ下、ほんの数ミリの浅いところを流れています。力任せに押すとかえって流れをせき止めてしまうので、なでる程度のやさしい圧で十分です。

セルフケアは「少し物足りない」と感じるくらいが、ちょうどいい加減だと覚えておいてください。

膝裏の痛みを和らげるセルフケア

膝裏がスッキリするツボ押し「委中(いちゅう)」

膝裏が痛い時に効果のある膝裏のツボ:委中(いちゅう)の位置

膝裏の中央にあるツボが「委中」です。膝の痛みやだるさに古くから使われてきた代表的なツボです。

  1. 椅子に座り、両手で膝を包むように持ちます
  2. 親指以外の4本の指を膝裏に当て、脚を軽く持ち上げるようにして委中を押します
  3. 「痛気持ちいい」ではなく「気持ちいい」と感じる強さで、深呼吸をしながらゆっくり押します
  4. 左右それぞれ1分が目安です

詳しいツボの位置は、総院長・渡辺佳子の著書『カラダ美人になる経絡リンパマッサージ&ツボ』でも紹介しています。

膝裏のリンパを流すマッサージ

膝裏のリンパを流すマッサージをしている写真

ツボ押しとあわせて、ふくらはぎから膝裏へリンパを流しましょう。

オイルやクリームを使うと肌への負担が減ります。

  1. 足首からふくらはぎ、膝裏に向かって、手のひらでやさしくさすり上げます(左右各1分)
  2. 膝裏に4本の指を当て、円を描くようにやさしくほぐします(左右各1分)
  3. 膝裏から太もも裏、脚の付け根に向かってさすり上げ、流した老廃物を送り出します(左右各1分)

より詳しい手順は、こちらの記事で写真つきで解説しています。
膝裏のリンパを流して、脚スッキリ!美脚リンパマッサージ

膝裏だけでなく膝全体が痛む方は、膝まわりのマッサージをまとめたこちらの記事もどうぞ。
膝の痛みを改善するマッサージのやり方

セルフケアの注意点

  • 腫れ・熱感・強い痛みがある時は揉まない(炎症を悪化させます)
  • 食後30分以内、飲酒後は避ける
  • 力任せに押さない。「イタ気持ちいい」より弱い力で十分です
  • 数日続けても悪化する場合は中止し、医療機関へ

膝裏の痛みを繰り返さないために:巡りを止めない習慣

デスクワークで膝裏が滞っている女性

膝裏の滞りは、毎日の姿勢の積み重ねで起こります。

特別なことを足すより、滞らせない習慣づくりが予防になります。

  • デスクワークは1時間に1回立ち上がる。立てない時は座ったまま足首を上下にパタパタ動かす
  • シャワーだけでなく湯船につかり、脚を温める
  • こまめに水分をとる(リンパの流れには水分が不可欠です)
  • エスカレーターを階段に変えるなど、ふくらはぎを使う機会を増やす

セルフケアで良くならない膝裏の痛みは、プロに相談を

膝裏の痛みのケアで、経絡リンパマッサージを受けている女性

「セルフケアを続けても膝裏の張りが取れない」「自分でやっても、どこまで押していいのか不安」という方は、一度プロの手を借りるのも選択肢です。

銀座ナチュラルタイムでは、国家資格を持つ鍼灸マッサージ師が、膝裏を含む脚全体のリンパの流れをカウンセリングで確かめたうえで、お一人おひとりに合わせた経絡リンパマッサージを行っています。

慢性的なこわばりには鍼灸治療との組み合わせもご提案できます。銀座駅から徒歩1分、お仕事帰りにもお立ち寄りいただけます。

膝裏の痛みについて、施術中によくいただく質問

最後に、膝裏の痛みでご来店くださったお客様から、施術中によくいただく質問にお答えします。

Q1. 膝裏のセルフマッサージは、毎日やってもいいですか?

毎日行っていただいて大丈夫です。むしろ、お風呂上がりに1日1回、短くても続けるほうが、週末にまとめて長くやるより滞りにくい状態を保てます。

ただし「気持ちいい」と感じる強さまで。翌日に揉み返しのような痛みが出る場合は、力が強すぎるサインなので弱めてください。

Q2. 膝裏を押すと痛いのは、リンパが詰まっているせいですか?

押した時のコリコリした感触や軽い痛みは、水分や老廃物が滞ってむくんでいる時によく見られます。

ただし「押すと強く痛い」「腫れや熱っぽさがある」場合は、炎症など別の原因が考えられるため、揉まずに整形外科でご相談ください。

強い痛みを我慢して押し続けるのは逆効果です。

Q3. セルフケアはどのくらい続ければいいですか?

感じ方には個人差がありますが、リンパの滞りタイプの張りであれば、まずは2週間を目安に毎日続けてみてください。

入浴後など体が温まっている時に行うと、巡りが変わりやすくなります。

2週間続けても変化がない、または悪化する場合は、セルフケアで対処できる範囲を超えている可能性があるので、医療機関やプロの施術者にご相談ください。

Q4. 病院に通いながら、マッサージを受けてもいいですか?

診断がついている場合は、まず主治医に「マッサージを受けてよいか」をご確認ください。

当院でも、通院中の方には症状とお薬の状況をカウンセリングで伺ったうえで、施術できる範囲を判断しています。

腫れや熱がある急性期は、施術をお断りして受診を優先していただくこともあります。

Q5. お店の施術では、膝裏にどんなことをするのですか?

経絡リンパマッサージでは、膝裏だけを揉むのではなく、足首からふくらはぎ、膝裏の膝窩リンパ節、太もも、脚の付け根まで、リンパの流れに沿って脚全体を流していきます。

セルフケアでは届きにくい深さと範囲をカバーできるのがプロの施術の違いです。詳しくは経絡リンパマッサージのコース紹介をご覧ください。

まとめ

膝裏の痛みがおさまって、喜んでいる女性

膝裏が痛い時は、まず「病気のサインかどうか」を見分けることが第一歩です。

  • 腫れ・熱感・膨らみ・歩けないほどの痛みがあれば、整形外科へ
  • 歩けて、押すとコリコリする・夕方に張るタイプは、リンパの滞りが原因のことが多い
  • 滞りタイプには、委中のツボ押しとない習慣

軽い痛みのうちにケアを始めれば、それだけ早く楽になります。

セルフケアで不安がある時、なかなか良くならない時は、どうぞお気軽にご相談ください。

足すより、巡らせる。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事
東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。