コラム

リンパマッサージの効果について徹底解説

目次

リンパマッサージは、リンパの流れをよくすることで、「冷え」「コリ」「むくみ」といった症状の改善、「ダイエット」から「体調管理」、「免疫力の強化」に至るまで幅広く活用されています。
なぜリンパマッサージは、こういった様々な症状に対して有効なのでしょう?

リンパマッサージは、リンパの流れをよくすることはもちろんですが、同時に血液の流れもよくしていきます。血液は心臓から全身に巡ります。大動脈という太い動脈から動脈、細動脈、毛細血管へ移行して全身の細胞を栄養します。特に毛細血管は皮膚表面(身体の浅い部分)にも多く分布していますので、手のひらで直接肌をさするリンパマッサージを行うことで、血液の流れは良くなります。

デスクワーク、リモートワークが多くなった近年、通勤回数が大きく減少したり、同じ姿勢による長時間の作業がとても多くなっています。外に出て活動する時間を大きく減少しています。

リモートワークで不慣れな椅子に長時間座っていて、腰が痛くなっている人

 

実は通勤をするだけでもリンパの流れや血液の流れに関係する筋肉は活動していますが、活動が大きく減ったことで、リンパの流れの滞りからくるむくみ、だるさ、免疫力の低下。血流の滞りによる冷えや筋肉のコリ、さらに風邪を引きやすくなった、疲れやすくなったというような不定愁訴がみられます。

また、これといった症状を感じていない方も、基礎代謝の低下による体重の増加の声も聞きます。こういった状態や症状を改善することもリンパマッサージの特徴です。

リンパと血液の「流れ」は、私たちが生きていく上でとても重要です。摂取した栄養を細胞に届けたり、細胞から出てきた不要な物質の回収、余分な水分や老廃物の排泄というように生命活動にも欠かせない働きがあります。

リンパマッサージはとても効果の出せるメソッドです。
今では、多くの方々に「リンパマッサージするといいらしい。」と、認知されています。
なぜ症状が改善するのか、なぜ痩せるのか、体の中で何が起こり、免疫力をアップさせるのか、どういうメカニズムで体調が良くなるのかを詳しくご説明させて頂きます。

メカニズムを理解することで、リンパマッサージの効果をさらに発揮することができます。

リンパと血液の役割について

リンパと血液の循環イラスト図

私たちの体は60兆という細胞でできています。筋肉、骨格、皮膚、臓器、血液など、人の体を構成しているもの全てが、細胞でできているので、栄養を届けなくてはいけません。

その役割を担うのが血液で、心臓から太い動脈を通って全身に流れていきます。その後、動脈から細動脈、そして毛細血管に移り、栄養素、酸素などを体の隅々の細胞に届けます。

毛細血管にはところどころ隙間、「内皮細胞間隙」と呼ばれるものがあり、この小さな隙間から血液の血漿の一部が細胞の間に出て細胞を栄養します。

そして今度は栄養を届けた代わりに細胞から老廃物、疲れの物質が出て来ます。これらのものを放置しておくと細胞にとって良くないので、回収しなければなりません。

それを毛細血管や毛細リンパ管が回収します。回収されたものは静脈を介して心臓に戻って肺に行って新しい血液になり再び全身に届けられます。

血液、リンパ管の働きというのは栄養素を細胞に届けて、不要な物質を回収する役割があります。そして、この血液とリンパ液の役割に大切なのが「流れ」です。

リンパと血液の流れ

心臓から出た血液が全身を巡り、再び心臓に戻るのに約40秒かかります。

それに対してリンパ液が不要な物質を回収して静脈に戻るのにかかる時間、体を一周する時間は8〜10時間かかります。

しかも血液には心臓のポンプがあり、押し出す力、巡らす力が働きます。

心臓の循環イラスト図

しかし、リンパ管、リンパ液には心臓のようなポンプ作用は働かずに、筋肉の収縮やリンパマッサージで身体の流れを作っています。

リンパ液の流れはただでさえ遅いのに、筋肉が硬くなり動きが悪くなると、リンパ液やリンパ管の働きも悪くなってしまいます。栄養を届けても、疲れの物質や老廃物、余分な水分を回収する時間が多くかかってしまうと、運び出すことができずに体の中に少しずつ蓄積されてきます。

そのままの状態が続くと、むくみがひどくなってしまったり代謝が悪くなってしまいますので、血液やリンパ液の流れというのはとても大切になります。

このリンパの流れに関係する筋肉の動きや硬さを改善する働きもリンパマッサージの1つです。

この血液とリンパの流れは、免疫力にも深く関わってきます。

リンパマッサージで免疫力アップができる理由

ナチュラルキラー細胞とアルブミン

ナチュラルキラー細胞のイラスト

リンパの流れを良くすると免疫力がアップするのはなぜ?

免疫力に欠かせないのが、ナチュラルキラー細胞です。そしてナチュラルキラー細胞の働きに深く関わってくるのがアルブミンというタンパク質です。

アルブミンは血液とリンパの流れにとても敏感で重要な物質です。まずこの「アルブミン」はどのような物質でどういった働きをするのでしょうか?

アルブミンは私たちの体の総蛋白、約60%を占める重要なタンパク質で血液中の蛋白で最も多い量を占めており、栄養状態の指標にもなります。体内のアルブミン量の約60%は血管外に分布し、40%は血液中を循環しています。

体内で血漿(血液中の淡黄色の液体)中に多く含まれる蛋白質で、役割としては、血管中の水分を保持したり、血液中で栄養(カルシウムやビタミン)を細胞に運搬したり、ホルモンや薬などの物質に結合して運搬するように、体内のいろいろな物と結合してそれらを目的地に運搬する働きを担います。

そして届けた部分から出てきた余分な物質や不要な物質を持っていく働きがあります。しかもものすごく吸着力が優れているので、余分な水分は吸収し、疲労物質や、死んだ細胞の破片を回収してくれます。体の中を浄化してくれるものすごく大切な物質です。

むくみの改善や体のだるさといった不定愁訴の改善にも繋がります。このアルブミンが体の中で働きやすい環境をどのように作っていくかが大切になります。それは、血液やリンパの流れを良くしてあげることが最適な環境になります。

流れの良い状態はアルブミンが働きやすい身体の状態となり、栄養の運搬と、不要物質の回収をスムーズに行うことができます。

免疫を司る細胞、ナチュラルキラー細胞。これは普段はリンパ節の中で待機しています。そして体の中にウイルスや病原菌が入って来たときにリンパ節から出て行って、やっつけにいきますのでその数は多ければ多いほど、体の闘う力は強くなります。

ここで重要なのが、ナチュラルキラー細胞が出て行く量です。どのようにしたらウイルスや病原菌と闘ってくれる数が増えるのかというと、ポイントは「アルブミン」です。

リンパ節に流れてくるリンパ液の中のアルブミンの濃度が高いほどナチュラルキラー細胞が出て行く量は多くなるのです。

そしてアルブミンの濃度を高めるための適した方法の1つが「リンパマッサージ」です。

リンパマッサージにより、血液、リンパの流れを良くすると、アルブミンというタンパク質の濃度が上がります。

それに比例して、体の中にウイルスや病原菌が入ってきたとき、それらを退治するためにリンパ節から出ていくナチュラルキラー細胞の量が増えます。自然免疫力を高めることになり、予防につながります。

アルブミンの摂取方法

また、このアルブミンは食事から摂取することができます。

魚 肉 豆など食べて、胃で消化して、肝臓で分解合成して作られますので、食事も大切にしてください。極度のダイエットでタンパク質が不足して、アルブミンが不足すると、体へ栄養が届きにくかったり、疲労物質、余分な水分が体にたまるので不調の原因にもなりますし、美容にも良くありません。バランスの良い食事を心がけてください。

リンパマッサージがダイエットにも効果的な理由

リンパマッサージでダイエットすると、成功する理由

リンパマッサージは、ダイエットにも効果的です。

その理由の1つにリンパマッサージによるむくみの改善が挙げられます。単純に太るとむくみ、むくむと太ります。そしてここにリンパの流れや脂肪が関係してきます。

私たちの体を巡っているリンパ液は体の柔らかい部分、体の表層部分を流れています。

体は皮膚表面から表皮、真皮、皮下組織、皮下脂肪、筋肉と構成されており表皮のすぐ下には毛細リンパ管が通り、真皮内には前集合リンパ管が通り、脂肪の部分にそれらが集まった表層集合リンパ管と深集合リンパ管が通ります。

リンパ管が通っている脂肪組織が、カロリーの摂取過多により、大きくなったり、皮下脂肪増えすぎると、脂肪が邪魔でリンパ液が皮下組織内をスムーズに移動することができません。

さらに脂肪自体が毛細リンパ管、集合リンパ管を圧迫することで流れが滞ってしまい、むくみの成分がたまってしまいます。

また、このような状態は、冷えにも直結します。夏でもお腹や内もも、足首周りが冷えているという方はたくさんいらっしゃいます。血管やリンパは、全身を巡っています。

むくみ成分というのは、体の外に出るべき、余分な水分や老廃物の一種です。そういった状態をそのままにしていると徐々に同じむくみ成分が蓄積されてきます。

(例えば部屋で埃が溜まっているところには、同じような埃が溜まって塊になるのと同じ状態です)

むくんだ体の状態や冷えた状態は皮膚の弾性も徐々に失われ、リンパ管にも負担がかかり、その周りの脂肪組織の増殖や線維化が見られるようになってしまいます。

太ったり、オレンジピールと呼ばれるセルライトが形成されることもありますが、リンパマッサージを行うことで、むくみも改善し、前述した状態も予防することができ、健康的なダイエットに繋がります。

体重が気にならない方でもむくみやすい方は、定期的なメンテナンスが大切です。

また、リンパ液が通る皮下脂肪は油なので、冷えれば硬くなります。年齢を重ねてくることでも、硬くなってきます。(セラミド変性)リンパ液が流れている周りが、1箇所でも硬くなると通路が塞がれている状態なので徐々に全身の流れも滞ってしまいます。

血液とともに、老廃物の回収を担うのが「リンパ系」なので、滞るとその部分のみならず、リンパマッサージによる全身のケアがとても重要になります。


リンパマッサージは、表皮、真皮、皮下組織、皮下脂肪、筋肉に対して効果を発揮します。確実な知識を持った専門家の元、全身の血液、リンパ液の流れを整えることで、体を栄養したり、不要な物質を回収、排泄します。

リンパマッサージを行うことで、自然免疫力が高まり、日々の予防にも繋がり、冷えコリむくみといった症状、疲れやすい、だるいといった不定愁訴の改善、さらには、健康的なダイエットにもつながります。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

(社)経絡リンパマッサージ協会 代表理事
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
現在は東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学の非常勤講師を務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。