東洋医学からみた冷え改善法と経絡リンパマッサージ

目次

年末が近づき、じわじわと冷え込みが強くなってきました。

冬が本格的になるにつれ、つらく感じる冷え症状。冷えが原因で寝付けなくなったり、冷え自体がストレスに感じてしまう方も。

今回は、そんな冷えについて東洋医学的に考え、セルフケアで改善可能なリンパマッサージ方法をご紹介していきます!

冷えの原因は何?

西洋医学における「冷え症」の原因

冷え症の原因


冷え症の定義は、実のところ様々あります。自覚症状として、

  • 寒い場所にいるわけではないのに手足が冷たい
  • 暖かい場所にいたり厚着をしたりしても冷える(暖まらない)
  • 布団に入っても手足が冷えていて眠れない
  • 便秘や下痢の傾向がある
  • 痩せにくい

などの症状が見受けられます。

手足の冷えという末端の症状だけでなく、全身の症状があることが特徴です。

冷え症でお悩みの方の中には、冷えそのものよりも、こうした冷えに誘発される様々な症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

こうした冷え症の原因は、血液循環の不全です。

特に体の末端になればなるほど、毛細血管は細くなっていきます。手足が冷えやすいのはそのためです。

本来であれば、自律神経が命令を出して末端の血流量も調節するのですが、自律神経の乱れによって手足の血流が低下して、冷えてしまうのです。

しかしながら、貧血・低血圧・ホルモン異常など原因が明確な冷え以外は、西洋医学的な治療の対象となりにくい現実があります。

そして多くの場合は、前述のように検査で異常の見られない範囲の、自律神経の乱れが原因なのです。

東洋医学における「冷え」の原因

東洋医学の古典である傷寒論


東洋医学では、約2000年前の時代から、冷えは治療の対象でした。そのことは、最も古いとされている中国医学書が「傷寒論」という名称であることからも分かります。

冷えは万病の元。この考え方は古代から変わらず、万病の元を予防することで「未病のうちに対策をしよう!」というのが東洋医学では理想の治療法なのです。

そんな東洋医学における冷えの原因は、主に「瘀血(おけつ)」にあるとされています。

「瘀」というのは「ドロドロとした」という意味で、つまり「瘀血」とは、「血液がドロドロとした状態」を指しています。

東洋医学においても西洋医学と同様に、冷えの原因は血流の低下にあるのです。

今回は、東洋医学と西洋医学の両側面から血流改善にアプローチする、経絡リンパマッサージをご紹介していきます!

冷え撃退!血流を改善するには

血流を改善して、冷え症を撃退

東洋医学と西洋医学の両方から、冷え撃退には血流改善が必須であることをご説明してきました。

そこで今回ご紹介するのが、西洋医学のリンパマッサージに、東洋医学の経絡の概念を導入した「経絡リンパマッサージ」です!

経絡とは、経穴(いわゆるツボ)同士を結ぶラインのこと。各経穴という駅に対して、駅を繋ぐ路線が経絡だとイメージするとわかりやすいでしょう。そして、その路線を通る車両が「気・血・水」と呼ばれる栄養物質であり、これらは全ての人体活動(元気)の源なのです。

西洋医学のリンパも東洋医学の経絡も、流れが滞れば体は重くなり、何らかの体調不良を実感します。

この両者の流れを改善することで、西洋医学と東洋医学の両面から体調を整えていくのが、経絡リンパマッサージなのです!

気・血・水の中でも、血流改善のために重要なのが当然「血」です。

瘀血となってしまった「血」を、元のサラサラな「血」に戻すためにポイントの経穴をまずご紹介しましょう。

「血」のための経穴「血海」

血の源のツボである血海

なんだか物騒にも見えるツボ名「血海(けっかい)」

このツボは、名が実を表す通り「血の源」の経穴です。

場所は、太腿の内側、膝のお皿の縁から指三本分上に上がったところにあります。このツボを押す際の特徴であり注意するべき点は、「瘀血が重度であるほど痛みが生じやすい」という点です。

そのためツボを押す際には、膝頭を包むように太腿に手を置き親指で、呼吸に合わせてゆっくりと優しく押していきましょう。

効果を出したいからといって、「痛い」と感じてしまうほど強い刺激はNG。

「痛気持ちいい」「気持ちいい」と感じられるのが、最善の強さです。

実践!冷え解消のための経絡リンパマッサージ

リンパマッサージで使う手技については、リンパマッサージの基本手技をプロが徹底解説にまとめてありますので、最初にご参考になさってください。

足の甲と指のマッサージ

足の甲と指のマッサージ

まずは、血行が悪くなりがちな末端部から流していきます。

足の甲の骨と骨の間には、重要なツボもたくさんあります。足の甲を親指の腹で撫でさするように、丁寧にマッサージしていきます。

足の指は一本ずつ、根元から握ってマッサージしましょう。

また、血圧が高めの方は足の指からマッサージするのがおすすめです。

手の指のマッサージ

手の指をマッサージ

次に手の指もマッサージしていきます。

二本の指でもう片側の手の指をつまむようにして、指先に向かって撫でさすっていきます。

指先が冷えている方は念入りに行いましょう。

体幹部前面のマッサージ

体の前面の経絡を流すマッサージ

鎖骨の高さからお臍の下まで、手のひらを使って体幹の中央部を撫で下ろしていきます。

中央のライン→少しずらして左右のライン2線と厚くさすっていくのもおすすめです。

鼠径部のマッサージ

鼠径部のマッサージ

いわゆる「ビキニライン」部のマッサージです。

鼠径部とは、上半身と下半身の血流が合流するところのため、念入りなケアが必要です。

ここが硬い場合、瘀血の証拠でもあります。

外側から内側に向かって、鼠径部のラインを優しく撫でさすっていきましょう。

ワンポイント:鼠径部が硬く痛みを感じる方は、ツボ「血海」も優しく押しましょう

血海のツボ

いかがでしたか?

今回のコラムで紹介した内容は、渡辺佳子の著書「経絡リンパマッサージ からだリセットBOOK」から一部抜粋しております。より詳しい内容は、書籍をご覧ください。

また、ほんのわずかな力でも撫でさすって痛い場合や、本格的な経絡リンパマッサージを体験してみたいなどは、当院の専門カウンセラーにご相談ください。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

(社)経絡リンパマッサージ協会 代表理事
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
現在は東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学の非常勤講師を務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。