リンパマッサージのメリットとデメリット
「上半身は痩せたのに、太ももだけが変わらない」
「スキニーが履けない」
「内ももが擦れて歩きにくい」——。
こうした悩みを口にされる方は、当院でもとても多くいらっしゃいます。
太ももは、脂肪・むくみ・筋肉の張り・セルライトなどが関係する部位。
だからこそ、太ももを細くするためには、やみくもに食事制限や、無理な運動をするのではなく、なぜ太く見えるのかを知ることが大切で、理想的な美脚を実現する近道だといえます。
今回は、太もも痩せに効果が期待できる部位別マッサージのやり方を、経絡リンパマッサージの第一人者の渡辺佳子が解説します。

太ももが太く見える理由は、実は1つではありません。原因によってアプローチが変わってきます。
まずは「自分はどのタイプか」を知ることから始めましょう。
食事をする時に摂取カロリーが、消費カロリーを上回ると余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。
また、女性はホルモンの影響もあり、太ももやお尻に脂肪がつきやすいのです。
他にも、1日中家の中で過ごしたり、在宅ワークで座りっぱなしは運動によるカロリー消費も少なくないので、皮下脂肪がつきやすいです。
長時間のデスクワークや立ち仕事でリンパや血液の流れが滞ってくると、太ももやふくらはぎに余計な水分がたまります。
重力の影響もあり、夕方になると目立ってくるのがむくみです。
特に太もものむくみは鼠径部リンパ節の滞りが関係しています。
むくみの原因について詳しくは『リンパの流れが悪い原因は4タイプ』をご覧ください。
ヒールを履く時間が長い、歩き方の癖で前ももばかり使っている方は、前ももの筋肉が硬く張って太く見えることがあります。
触ると「ゴリッ」と硬く、押すと痛みを感じやすいのが特徴です。
意外と多いのが、「運動していないから筋肉のせいではないはず」と思い込んでいるパターンです。
普段の姿勢や歩き方で前ももを使いすぎていると、運動の習慣がなくても筋肉の張りは起こるのです。
皮膚の表面に「ぼこぼこ」とした凹凸が見える場合は、セルライトが溜まっている可能性があります。
セルライトとは、脂肪細胞のまわりに老廃物や水分が絡みつき、塊のように固まった状態を指します。
むくみと脂肪が長期間放置されると、セルライトへと進行していきます。
当院にいらっしゃる患者様で多いのは、これらの原因が複数組み合わさっているケースです。
「皮下脂肪はそこまで多くないのに太く見える」という方は、むくみと筋肉の張りが合わさっていることが多いです。
また、東洋医学では太ももの前側には「脾経(ひけい)」「胃経(いけい)」「肝経(かんけい)」という3本の経絡が走っています。
東洋医学でいう脾と胃は、水分代謝と消化を司る臓腑です。
これらの経絡の流れが滞ると、結果的に太ももが冷え、むくみや脂肪が蓄積しやすくなる、と考えられています。
セルライトのケアについて詳しくは『リンパマッサージでセルライトとさよなら』をご覧ください。

「リンパマッサージだけで太ももは痩せますか?」というお声をいただきます。
リンパマッサージを1分、1回だけでは脂肪そのものを減らすことはできません。
また、脂肪を燃焼させるには、運動や食事の見直しが必要となってきます。
太ももが太く見える原因は「脂肪」だけではないということを思い出してください。
むくみや筋肉の張り、そしてセルライト。
これらに対しては、リンパマッサージでの変化が出やすい部分です。
「リンパマッサージで脂肪は減らないなら意味がないのでは」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、体感ではありますが、むくみと筋肉の張りを取り除くだけで、太もも周りのサイズが1〜2cm変わる方も珍しくありません。
鏡で横から見たときのラインが変わる、デニムを履いたときのフィット感が違う——そういった変化を実感される方は多いように思います。
当院にいらっしゃる患者様を長年拝見していて、気づくことがあります。
「太ももが太い」と悩まれている方の多くは、内もも・裏ももが特に冷たくて硬くなっています。
触ると、外ももや前ももとは明らかに温度が違うのです。
内ももには東洋医学の経絡の「肝経(かんけい)」と「脾経(ひけい)」、裏ももには「膀胱経(ぼうこうけい)」が通っています。
これらの経絡の流れが滞ると、太ももの「裏側」が冷えやすくなり、血流とリンパの巡りが滞りやすくなってきます。
結果として、脂肪・むくみ・セルライトが定着しやすい身体の状態が作られてくるのです。
リンパマッサージは、この「冷えて滞った経絡」に直接アプローチできる、手段のひとつなのです。

ここからは、実際のマッサージ手順を5つのステップに分けて解説します。
太ももは、ふくらはぎよりも筋肉が厚く、リンパ管が深い位置にあります。
手のひら全体を密着させて、しっかり身体を動かしながらセルフケアを行うのがポイントです。
始める前に
お風呂上がりなど、身体が温まっているタイミングが効果的です。
素肌に直接行う場合は、マッサージオイルかボディクリームを使ってください。(摩擦で肌を傷めないため)
椅子に座って、片足ずつ同じ時間、セルフケアマッサージを行いましょう。
体調がすぐれない時は控えましょう。
肌に傷やトラブルがある場合は、その場所を避けてマッサージを行なうか控える
マッサージをしても症状が改善されない、または悪化した場合は、専門家に相談をしましょう。
足先は、全身のリンパの流れの「スタート地点」です。ここから先、全身をどう流していくかはリンパマッサージの正しいやり方で解説しています。
STEP1. 前太もも全体を押す
前太ももを押す(にぎる)イスに浅く腰かけます。太ももの前側を両手のひらで握り、手のひらに体重をのせながら、前太もも全体を押します。反対側も同様に。
STEP2. 前太もも全体をさする
前太ももをさする 両手をひざのすぐ上におき、足の付け根にむかって、手のひらを左右交互に動かして、太もも全体をさすります。反対側の足も同様に。
STEP3. 握りこぶしで前太もも全体をさする
外ももをさする 両手で握りこぶしをつくり、外ももに当てる。握りこぶしを滑らせるように、脚の付け根に向かって外ももをさする。反対側も同様にして行う。
STEP4. 手のひらで太もも全体をもむ
外・内ももをもむ 手のひら全体で、内ももをつかみ、手を交互にずらしながら、やさしくもんでください。
太ももの外側、内側の両方を満遍なく揉みましょう。反対側の足も同様に。
STEP5. 太もも裏をさする
足を肩幅に聞いて立ち、膝裏の上に手のひらを当てる。
その位置からお尻と太ももの境目まで、両手のひらで、太もも全体をさすり上げる。
効果が出にくい場合は、カウンセラーにご相談ください。
ここで紹介した方法は、渡辺佳子の著書「新版 セルライト超燃焼 リンパマッサージ 決定版」から一部抜粋して紹介しております。
セルフケアをもっと専門的に続けたい方は、より詳しい内容が書かれている、書籍をご覧ください。

同じセルフケアマッサージでも、タイミングや姿勢を少し工夫するだけで、体感が変わります。
当院の患者様にお伝えしている、シンプルなポイントを5つご紹介します。
リンパマッサージセルフケアは、身体が温まっている時に行うと効果がUPします。
また、肌に直接触れてマッサージを行うのが基本なので、マッサージをする部位や手指が清潔に保たれているお風呂上がりがオススメです。
お風呂上がりのリラックスタイムにマッサージの習慣をつけて、無理なく続けましょう。
マッサージを行う際には、なるべくオイルを使用することをオススメします。
滑りがよくなりマッサージの効果が高まるだけでなく、マッサージしながら塗ることでオイルが浸透しやすくなり、保湿などの効果もより高まります。
マッサージオイル、ボディクリーム、ボディオイル——お手持ちのもので構いません。
またオイルは、化学的な合成物が入っていないものを選ぶと良いです。
マッサージオイルの正しい選び方と注意点をご覧になってください。
手のひらに広げてから、太もも全体に伸ばして使用ください。
セルフケアマッサージをする方で、「手が疲れる」「指が痛くなる」「指が痛くなる」というお声をいただきます。
原因は、指先や手首の力だけで押そうとしていること。
椅子に座って行うときは、上半身を少し前に倒して、体重を手のひらに乗せるイメージで行ってください。
手ではなく、体全体で圧をかける感覚です。
この姿勢に変えるだけで、疲れずに深く届くようになります。
マッサージで動いたリンパや老廃物は、最終的に尿として排出されます。
水分が足りていないと、この排出がスムーズにいきません。
マッサージ前に1杯、終わった後にも1杯。合わせてコップ2杯ほどの常温の水を目安にしてください。
冷たい水は身体を冷やし、せっかく温めた効果が薄れてしまうため、常温か白湯がおすすめです。
リンパが滞っている部分や冷えがひどい部分、凝っている部分は、マッサージをすると痛く感じることがあります。
その場合は優しく行ってみましょう。
手先だけで力を入れるのではなく、体重を使うのがポイントです。
「気持ちいい」と感じるくらいを目安にして行って、ほぐれてきたら、徐々に強さを変えてもOKです。
患者様を拝見していて感じるのは、「頑張りすぎる方ほど、変化が出にくい」ということ。
強く押さなくてはいけない、毎日必ずやらなくてはいけない、と力が入りすぎると、続かなくなってしまいます。
優しく、無理なく、身体の声を聞きながら——こちらのほうが、結果的に長く続いて、変化を実感される方が多いように思います。

太ももマッサージは基本的に安全なセルフケアですが、状態やタイミングによっては控えたほうが良い場合があります。
以下の点を確認してから始めてください。
以下のような症状がある場合は、セルフマッサージを続けず、医療機関への相談をおすすめします。
これらは、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症など、医療的な処置が必要な状態のサインかもしれません。自己判断せず、専門の医療機関を受診してください。

A. 個人差はありますが、目安として、およそ1週間程で何らかの効果が表れてきます。
ただし個人差があるので、むくみがひどい場合などは、1回のマッサージで大きな変化があることも。
長期間冷え性だったりセルライトが肥大しているような場合は、毎日継続して行いましょう。
体質も改善され、身体が温まった、むくみが楽になったなどの変化があるはずです。
A. マッサージは、1日1回がオススメです。まとめて行うよりも、少しずつ毎日続ける方が効果的です。
ただし、大切な予定などの前日であれば、身体の状態をみながら回数を増やしても大丈夫です。
ただし、翌日にだるさや痛みが残る場合は、力が強すぎるサインです。
1〜2日休んで、痛みが引いてから優しい強さで再開してください。
A. いくつかの原因が考えられます。
セルフケアを続けても変化を感じられない場合は、太もも単体ではなく全身のリンパの流れに原因があるかもしれません。
一度、専門家のカウンセリングを受けてみるのもひとつの選択肢です。

毎日マッサージを続けているのに、太ももが変わらない。少し細くなっても、すぐに元に戻ってしまう。
頑張っているのに、鏡を見るとため息が出るということはありませんか?
そういうときは、太もも単体の問題ではなく、全身の巡りが滞っている状態かもしれません。
セルフマッサージは、自分の手が届く範囲、自分が感じられる硬さの範囲でしか行うことができません。
ですが、太ももの深部にある滞りや身体の裏側や骨の際にある頑固なコリ、複数の経絡が絡み合った複雑な状態——
この身体の状態までくると、自分の手ではどうしても届かない領域が出てきます。
特に、次のような状態は、セルフケアだけで解消するのが難しいサインです。
一般的なリンパマッサージは、リンパの流れに沿って老廃物を排出することを目的としています。
経絡(けいらく)リンパマッサージは、これに東洋医学の考え方を組み合わせた施術です。
太ももには、脾経(ひけい)・胃経(いけい)・肝経(かんけい)・膀胱経(ぼうこうけい)という4本の経絡が走っています。
それぞれの経絡は、消化・水分代謝・血の巡り・老廃物の排出といった、身体の異なる働きと深くつながっています。
「なぜ太ももが太くなるのか」の根本には、これらの経絡のどこかで滞りが起きている可能性がある——というのが、東洋医学の考え方です。
そのため、経絡リンパマッサージでは、太ももだけをリンパを流し、ほぐすだけではなく、関連する経絡全体の流れを整えるアプローチをとります。
お腹の張り、内臓の疲れ、姿勢の癖——太ももの太さに影響する要素を、身体全体から見ていきます。
当院では、初回のカウンセリングでお客様の生活習慣、体調、姿勢の癖などを丁寧にお伺いします。
その方の太ももが「どのタイプで太く見えているのか」——皮下脂肪なのか、むくみなのか、筋肉の張りなのか、セルライトなのか。あるいはそのすべてが絡み合っているのか。
それを見極めた上で、その方に合った経絡へのアプローチを組み立てていきます。
「マッサージを受けたら翌日足が軽い」というその場限りの効果ではなく、受け続けることで少しずつ体質が整い、太ももが太くなりにくい身体をつくっていく——それが、経絡リンパマッサージの目指すところです。
自分のセルフケアが正しいのか自信がない。何をどう続けたらいいのか分からない。
頑張ってきたけれど、そろそろ限界を感じていていませんか?
そういうときは、一度専門家に相談してみてください。
方向性さえ見えれば、セルフケアもぐっと効果が出やすくなります。
当院のカウンセリングでは、施術を受けるかどうかに関わらず、お一人おひとりのお身体に合わせたセルフケアのアドバイスもお伝えしています。

太ももを細く見せるためのポイントを、最後に振り返っておきましょう。
太ももは、女性が最も悩みを抱えやすい部位のひとつです。
ダイエットしても細くならない、鏡を見るのが辛い、洋服選びが憂鬱——そんな気持ちを一人で抱え込む必要はありません。
正しい方向で少しずつケアを続ければ、あなたの太ももは変わっていけます。
今日、この記事を読んでくださったことが、その最初の一歩になれば嬉しいです。
「セルフケアだけでは追いつかない」「自分のケアが正しいのか確認したい」——そんなときは、一度カウンセリングにお越しください。
太ももの状態を丁寧に見せていただき、その方に合った施術とセルフケアのアドバイスをお伝えします。初診の方は、24時間WEB予約が可能です。
銀座ナチュラルタイムでは、国家資格を持つセラピストが「経絡リンパマッサージ」で全身のめぐりを丁寧に整えます。
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長 一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事 東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。 経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。