脚やせマッサージのやり方|原因別・部位別の手順を専門家が解説
「上半身は変わってきたのに、脚だけ細くならない」「夕方になると、朝はいていたパンツがきつくなる」——脚のことでご相談にみえる方から、いちばん多くうかがうお悩みです。
脚が太く見える理由は、ひとつではありません。むくみ、脂肪、筋肉のはり、冷え、姿勢のくせ。どれが強く出ているかによって、必要なケアはまったく変わってきます。同じマッサージを続けているのに変化を感じられないとしたら、やり方ではなく「選び方」が合っていないのかもしれません。
このページは、銀座で30年、経絡リンパマッサージを専門にしてきた治療院として、脚やせのためのマッサージを一度に見渡せるようにまとめたものです。原因の見分け方から、1日5分の基本の手順、太もも・ふくらはぎ・足首といった部位別のケア、そして毎日の習慣まで、順番にご紹介していきます。
気になるところだけ、目次から読んでいただいてもかまいません。

脚やせのマッサージを始める前に、いちばん大切なのは「自分の脚がなぜ太く見えているのか」を知ることです。原因によって、触るべき場所も、力の入れ方も変わります。
臨床の現場で拝見していると、多くの方は次の5つのうち、いくつかが重なった状態にあります。
朝と夜で脚の太さが変わる、靴下のゴム跡がなかなか消えない、すねを指で押すとへこんだまま戻りにくい。こうした方は、余分な水分と老廃物が下半身にたまっている状態です。
リンパ液には、体内をめぐって余分な水分や老廃物を回収する働きがあります。この流れが滞ると、行き場をなくした水分が皮下にとどまり、脚をひとまわり大きく見せてしまいます。滞りが起きる背景については、リンパの流れが悪い原因は4タイプで詳しく整理しています。
太ももを両手でつまんだときに、皮膚の表面がオレンジの皮のようにでこぼこして見える状態です。むくんで停滞した老廃物が脂肪細胞のまわりにたまり、周囲の線維と結びついて硬くなったものが、いわゆるセルライトと呼ばれています。
やっかいなのは、脂肪とむくみがお互いを悪くしてしまうことです。脂肪細胞が大きくなるとリンパ管を圧迫して流れをさまたげ、流れが滞るとさらに老廃物がたまる。この循環に入ると、食事や運動だけでは変化を感じにくくなります。リンパマッサージでセルライトとさよなら!美ボディへの近道もあわせてご覧ください。
立ち仕事やヒール靴の時間が長い方に多いタイプです。ふくらはぎの筋肉が縮んだまま硬くなり、その内側を通るリンパや血管を圧迫します。ご本人は「筋肉質だから仕方がない」とおっしゃることが多いのですが、実際にはむくみとはりが重なっているケースが少なくありません。
手のひらで脚を上から下へなでたときに、膝から下だけ温度が低く感じられる状態です。心臓から遠い足先は、もともと血液がとどきにくい場所。血行が落ちると老廃物が流れにくくなり、むくみが慢性化していきます。夏の冷房で悪化する方も多くいらっしゃいます。
骨盤の傾きや、片脚に体重をかけて立つくせがあると、脚の外側やひざ上の一部にだけ負担が集中します。マッサージで一時的にゆるんでも、姿勢のくせが残っているとまた戻ってしまうため、生活のなかでの立ち方・座り方まで含めて見直す必要があります。
今の脚の状態を確かめるチェック
3つ以上あてはまる方は、脂肪よりも「巡りの滞り」が脚の太さに関わっている可能性があります。

ここは、はじめにお伝えしておきたいところです。マッサージは万能ではありません。できることとできないことを知っておくと、続けやすくなります。
手で皮膚と皮下組織を動かすと、その下を通るリンパや静脈の流れが促されると考えられています。たまっていた水分が移動することで、脚まわりのサイズや見た目のラインが変わってくる方は多くいらっしゃいます。
また、硬くなった皮下組織に柔軟性が戻ると、脂肪とむくみが互いを悪くする循環をゆるめることにつながります。冷えやだるさが軽くなった、夜よく眠れるようになった、という声もよくうかがいます。回収された老廃物がどこへ向かうのかは、リンパで流した老廃物はどこへ行く?でご説明しています。
一方で、マッサージで脂肪そのものが分解されて減るわけではありません。「もんだ分だけ細くなる」という考え方は、体のしくみとは合っていません。体脂肪そのものを減らしたい場合は、食事と運動が中心になります。
また、強くもめば効くというものでもありません。強い刺激は毛細血管を傷つけ、内出血や、かえって組織が硬くなる原因になります。リンパマッサージが痛い?3つの理由と対策でも触れていますが、痛みを感じない強さがいちばん流れやすい状態です。
脚やせのマッサージは「脂肪を減らす方法」ではなく、「たまっているものを流して、本来のラインに戻していくケア」だとお考えください。この前提を共有できると、続ける手ごたえがずいぶん変わってきます。

持病がある方や妊娠中の方は、自己判断で始めず、かかりつけの医師にご確認のうえで行ってください。

まずは脚全体を通す、基本の手順です。総院長・渡辺佳子の著書はじめての経絡リンパマッサージセルフケア完全版から一部を抜粋してご紹介します。
細かい部位に入る前に、この4ステップで脚全体の通り道をつくっておくと、その後のケアが届きやすくなります。片脚ずつ、あわせて5分ほどが目安です。
ひざを立てて座り、両手のひらを足首の裏側にあてる。足首からもものつけ根まで、手を交互に動かしてさすり上げる。反対側も同様に行う。
ひざを少し開くように座り、両手のひらを足首に当てる。ふくらはぎから太ももまで、タオルをしぼるように手を上下に動かしてもみほぐす。反対側も同様に行う。
ひざを立てて座る。両手のひらをくぼませて、ふくらはぎ全体を軽くたたく。反対側も同様に行う。
立った状態で、ひざ裏からもものつけ根までまんべんなくたたく。反対側も同様に行う。より詳しい手順は、上記の著書でご確認いただけます。テレビ番組でご紹介した短時間の脚のケアは、NHK「あさイチ」でご紹介した脚のリンパマッサージにまとめました。

基本の4ステップで脚全体を通したら、次はご自身がいちばん気になる場所を深めていきます。脚は、部位ごとに滞る理由も、触り方も違います。ここでは、それぞれの部位で押さえておきたい考え方をお伝えし、詳しい手順は各ページでご紹介します。

太ももは脂肪がつきやすく、同時にセルライトができやすい場所です。とくに前側の大腿四頭筋と外側は、立ち方のくせが出やすく、片側だけ張り出すこともあります。太ももだけを一生懸命もんでも変わりにくいのは、出口である鼠径部とひざ裏が詰まっているケースが多いためです。原因の見分け方から部位別の手順、うまくいかないときの考え方までは太ももを細くするマッサージで詳しくご説明しています。

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、歩くたびに収縮して下半身の血液とリンパ液を押し上げています。座っている時間が長いとこのポンプが働かず、脚の重さやだるさとして表れます。硬くなったふくらはぎをゆるめることは、脚全体の巡りを取り戻す出発点です。5分でできる実践手順と、症状別のアレンジはふくらはぎマッサージのやり方にまとめました。だるさが強い日は足がだるい時に効くふくらはぎのリンパマッサージもあわせてどうぞ。

足首まわりにはアキレス腱をはじめとする腱が集まっており、リンパの流れを促す組織が少ない場所です。一度滞ると老廃物がたまりやすく、くびれが浅くなって「だいこん足」に見える原因になります。足首の曲げ伸ばしが減っている方ほど、ここから始めると全体が動きやすくなります。5ステップの手順は足首のむくみ・太さの原因とセルフマッサージのやり方でご紹介しています。

ひざの裏には膝窩リンパ節があり、ふくらはぎから上がってきた流れが集まる、関所のような場所です。ここが硬いと、下でどれだけ流しても行き場がありません。太もものケアがうまくいかない方は、まず膝裏をゆるめてみてください。膝裏のリンパを流して、脚スッキリで手順をご確認いただけます。なお、膝裏に痛みがある場合は膝裏が痛い時は、どうしたらいい?を先にお読みください。

脚のつけ根にある鼠径リンパ節は、下半身から集まったリンパ液が上半身へ向かうときの出口です。デスクワークで長時間圧迫されると、ここが詰まって脚全体の流れが止まります。順番としては、いちばん最後ではなく、むしろ先にゆるめておきたい場所です。鼠径部リンパマッサージで、むくみのない、キレイな脚を目指すをご覧ください。

靴がきつい、甲に靴ひもの跡が残る。足の甲は、下半身のむくみがいちばん早く出る場所です。東洋医学では胃経という経絡が通る場所でもあり、内臓の疲れが表れているとみることもあります。足の甲のむくみの原因とセルフマッサージで、5ステップの手順と、片足だけむくむ場合の注意点をご説明しています。

冒頭の5つのタイプに戻ります。同じ時間をかけるなら、ご自身のタイプに重心を置いたほうが、変化を感じやすくなります。
出口から順に開けていくのが基本です。鼠径部 → 膝裏 → ふくらはぎ → 足首 → 足の甲。上から順に詰まりを外してから、下から上へ流します。全身のむくみが気になる方は気になるむくみをマッサージで解消!効果的なセルフケアメソッド3選もあわせてどうぞ。むくみが疲れやストレスと結びついている場合は、疲れとむくみは関係している⁈とむくみとストレスの意外な関係もご覧ください。
硬くなった部分をいきなり強くもむのは逆効果です。まず温めて、さするところから始め、皮膚と皮下組織のあいだにすべりを取り戻していきます。時間はかかりますが、毎日の積み重ねで手ざわりが変わってきます。体全体の巡りから見直したい方はリンパマッサージで痩せるのはなぜ?で、滞り度のチェックリストをご用意しています。
硬くなった筋肉は、温めてからでないとゆるみません。入浴のあと、あるいは湯船のなかで行ってください。冷えが強い方はツボ押しを組み合わせると、体感が変わることがあります。足の冷えは、ツボとマッサージで改善しよう、冷え性改善に効くマッサージ&ツボ押しのやり方をご参照ください。
マッサージだけでは戻りやすいタイプです。ストレッチを組み合わせて、縮んでいる側を伸ばすところまで行ってください。順番についてはリンパマッサージとストレッチの正しい順番とやり方にまとめています。

施術でどれだけ流しても、生活のなかで滞る時間のほうが長ければ、脚は元に戻ります。1日のなかに、脚を動かす時間を少しずつ差し込んでみてください。
起きてすぐ、布団のなかで足首を前後に10回動かします。ふくらはぎのポンプに、その日いちばん最初のスイッチを入れる意味があります。
脚を組む、浅く腰かける、片脚に体重をかけて立つ。どれも、鼠径部やひざ裏を圧迫します。1時間に一度は立ち上がり、かかとの上げ下げを10回してください。水分は、むくむからと控えるのは逆効果です。とらないほうが体は水をため込みます。
シャワーだけで済ませる日が続くと、脚は冷えたままです。38〜40度の湯船に10分ほどつかると、それだけで巡りが変わります。寝る前のケアについては寝る前のリンパマッサージで、睡眠の質を高めましょうもご参考になさってください。
ウォーキングやスクワットは、ふくらはぎのポンプを動かす意味で相性のよい運動です。ただし、運動のあとに硬くなった筋肉をそのままにすると、はり型に寄っていきます。動かしたあとは、ゆるめる。この順番を大切にしてください。リンパマッサージと筋トレで、しなやかな美ボディを目指しましょうで組み合わせ方をご説明しています。

脚のむくみの多くは、運動不足や姿勢の偏り、冷えといった日常の積み重ねによるものです。ただし、次のような場合は、自己判断でマッサージを続けずに医療機関を受診してください。
むくみの背景に、心臓・腎臓・甲状腺の疾患や、静脈やリンパの病気が隠れていることがあります。心配な症状があるときは、まず受診をおすすめします。

Q. どのくらい続ければ、変化を感じられますか?
A. 個人差が大きいところです。むくみが主な原因の方は、その日のうちに脚の軽さを感じることもあります。一方、セルライトが硬くなっている方は、手ざわりが変わってくるまでに数か月かかることもあります。体感ではありますが、1か月ほど毎日続けた頃に「靴下の跡が残らなくなった」とおっしゃる方が多い印象です。
Q. 毎日やっても大丈夫ですか?
A. 痛みを感じない強さであれば、毎日行っていただいて問題ありません。むしろ、週に一度長時間行うよりも、短くても毎日続けるほうが向いています。詳しくはリンパマッサージは毎日行って良いの?をご覧ください。
Q. 強くもんだほうが効きますか?
A. いいえ。強い刺激は毛細血管を傷つけ、内出血やあざの原因になります。また、体は強い力に対して防御的に硬くなるため、かえって流れにくくなります。「痛気持ちいい」の少し手前、心地よいと感じる強さが目安です。リンパマッサージのやりすぎはNG!?もあわせてどうぞ。
Q. 生理中や妊娠中でも行えますか?
A. 生理中は体調に合わせて、無理のない範囲であれば行っていただけます。詳しくは生理中にリンパマッサージを受けてもいいの?をご覧ください。妊娠中は時期や体調によって適切なケアが異なりますので、かかりつけの医師や助産師にご相談のうえで行ってください。
Q. 脚だけ細くすることはできますか?
A. 体脂肪は、特定の部位だけを選んで減らすことはできません。ただし、むくみが原因で太く見えている部分は、流れが整うことでラインが変わってくることがあります。「脂肪を落とす」と「たまっているものを流す」は別のことだとお考えください。
Q. マッサージのあと、トイレが近くなったりだるくなったりしますが大丈夫ですか?
A. 巡りが変わったことによる反応であることが多く、心配のいらないケースがほとんどです。マッサージ後にトイレの回数が増えるのは大丈夫?、リンパマッサージの後、体がだるくなるのはなぜ?でご説明しています。症状が強い場合や長引く場合は、無理をせず中止してください。
Q. 器具やローラーを使ってもいいですか?
A. 使い方によります。手のひらのように面で圧をかけられるものであれば補助になりますが、点で強く当たるものは組織を傷めることがあります。リンパマッサージに使えるオススメの器具とやり方をご参考になさってください。
Q. セルフケアとサロンの施術は、何が違いますか?
A. いちばん大きな違いは、ご自身では届かない場所と、力の抜きどころです。鼠径部やひざ裏の深い部分は、自分では姿勢の関係で圧をかけにくく、また体に力が入ったままでは圧が通りません。加えて、どのタイプの滞りが強く出ているかを見立てたうえで組み立てられる点が異なります。

脚が太く見える理由は、むくみ、脂肪とセルライト、筋肉のはり、冷え、姿勢のくせと、いくつも重なっています。まずご自身がどのタイプに近いかを知り、基本の4ステップで脚全体を通したうえで、気になる部位を深めていく。この順番が、遠回りのようでいちばん近道です。
そして、強くもむことよりも、毎日続けることのほうがずっと大切です。1日5分、体が温まっているときに、痛みを感じない強さで。脚は、こちらが手をかけた分だけ、少しずつ応えてくれます。
ご自身のケアだけでは追いつかないと感じたときは、一度専門家に体の状態を見てもらうのもひとつの方法です。
銀座ナチュラルタイムは、銀座駅から徒歩1分、銀座で30年、経絡リンパマッサージと鍼灸を専門にしてきた治療院です。総院長の渡辺佳子は、著書70冊、監修誌1,000誌を超える経絡リンパマッサージの第一人者。国家資格を持つ施術者が、お一人おひとりの脚と体の状態を確認しながら、オーダーメイドのケアをご提案します。
「足すより、巡らせる。」——巡りを整えることから、内側から軽く、しなやかな脚を目指しませんか。
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長 一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事 東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。 経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。