後頭部が痛いときはどうする?こわくない頭痛にはマッサージ

後頭部が痛くて、手で押さえている男性
目次

後頭部が痛いと感じることはありませんか?

後頭部が痛い女性

頭痛は現在、珍しい症状ではありません。一方で、「頭痛」と一口に表現しても、その程度や病態は様々です。頭痛持ちで毎日のように鈍い痛みに悩まされている方もいれば、特定の条件下で突然鋭い頭痛に襲われる方もいます。

今回は、そんな頭痛の中でも後頭部の痛みに着目していきます。

また頭痛には、命の危険が伴う「 こわい頭痛」と、症状はつらくとも命にはかかわらない「 こわくない頭痛」があります。

「こわい頭痛」はすぐに病院での検査・治療が必要です。

「こわくない頭痛」は痛み止め薬等で抑制はできますが、多くは完治は難しいと言われています。そんな頭痛には、マッサージが効果的です。

まずはこの「こわい頭痛」「こわくない頭痛」の違いを知り、頭痛改善への一歩にしましょう。

こわい頭痛とこわくない頭痛の違い

後頭部の痛みの注意点命にかかわらない「こわくない頭痛」には、主に緊張型頭痛と偏頭痛の2種類があります。
頭痛の詳しいメカニズムはリンパマッサージで頭痛が起きる?頭痛が治る?をご覧ください。

また、後頭部が痛い場合、神経痛の可能性もあります。

後頭部に走っている感覚神経には、大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経の3つがあります。これら3つの神経痛を併せて「後頭神経痛」と総称します。

後頭神経痛の特徴は以下の通りです。

  • 片側の耳の後ろから、後頭部、首筋、頭頂部が痛む。痛む範囲がはっきりしている。
  • 突発的かつ繰り返し痛む
  • 痛みは「ピリッ」や「ズキッ」とした感覚
  • 吐き気や頭全体の痛みはない

後頭神経痛の原因は多くが肩こりやストレスと言われていますが、原因がハッキリとは見つからない場合もあります。自然寛解する方もいますが、症状が長く続く場合は頸椎や頸髄疾患が疑われるため、病院でのCT検査が必要です。

一方で、命の危険が伴う「こわい頭痛」が疑われる症状には、以下のような特徴があります。

  • 今まで経験したことのない突然の激しい頭痛
  • 吐き気
  • 意識障害
  • 手足の麻痺
  • 言語障害
  • 血圧の突然の上昇
  • 発熱

これら他の症状が頭痛と同時に見られる場合には、脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血など、極めて危険な病気の可能性があります。決して自己鑑別せず、すぐに病院を受診しましょう。場合によっては、その場で救急車を呼びましょう。

一方で、命にかかわらない「こわくない頭痛」の場合には、ツボ押しやマッサージでのアプローチが効果的です。

後頭部の痛みが気になる人は半健康症候群かも

後頭部に慢性的な痛みがある人は、半健康症候群の可能性があります。

半健康症候群イラスト

半健康症候群とは東洋医学の未病という概念と西洋医学の病気の概念の中間にある、病気ではないけれど辛い状態のことを指す状態です。

半健康症候群は自覚があまり出づらく本人も気づかずにいることが多い状態です。

中でも首コリはその代表例で首がかなり凝っている状態 = 半健康症症候群であると言えるほど、日々の体調や身体の不調に大きな影響を与えています。

自分で首コリを診断するのは非常に難しいため、LINEで簡単にできる、チェックテストをご用意しました。下記のバナーをクリックしてぜひご自身の首の状態を調べてみてください。

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後頭部が痛いときに効果的なツボ押し

後頭部が痛いときには、他の「こわくない頭痛」と同様、首肩こりの改善が必要です。特に後頭部には、背中にかけて硬くなりやすい強靭な筋肉が多く、背部全体のケアも必要となります。

東洋医学的には、首の後面から背中、腰、太もも裏からふくらはぎまでの範囲は全て「膀胱経」と呼ばれるツボの領域で、ここがこると慢性的な疲労が溜まりやすくなると言われています。

そのため、一見頭痛と関係なく思える背中や腰、足にも効果的なツボが存在します。

  1. 頭と首のツボ「天柱」(てんちゅう)
    後頭部の髪の生え際で、首の後ろの太い筋肉の外側にあるくぼみを探しましょう。
    頭と首の境目にあるデリケートな部位なので、ぐりぐりと強く押すのはNG。
    押し方は、親指を柔らかく当てて、ゆっくりと首を後ろに倒す(顎を上げる)ことで圧をかけていきます。
  2. 腰のツボ「腎兪」(じんゆ)
    おへそと同じ高さの、背骨から指2本分外側にあるツボです。おへそから水平に背中まで手を回し、腰のところで押すと心地いい場所を探しましょう。
    押し方は、ウエストを包むように両手を、ツボに親指を当てて、上半身を後ろにそらしながらゆっくりと押していきます。
    後頭部の痛みに効く、腰のツボ腎兪
  3. 足のツボ「崑崙」(こんろん)
    外くるぶしの一番とがったところと同じ高さで、アキレス腱との間にあるくぼみです。
    厚い筋肉のない場所なので、親指の腹でゆっくりと、痛気持ちいいと感じる強さで押していきましょう。

後頭部が痛いときのリンパマッサージ

後頭部が痛い時のリンパマッサージ

痛い部分に手を当てたり指で押したくなるのは、人間の本能です。マッサージとはまさに「手当て」なのです。

しかし、今回ご紹介するリンパマッサージは、頸部のアプローチも含まれます。頚部は重要な血管や神経が通る人体の急所で、刺激に敏感な部位です。

くれぐれも、今回のリンパマッサージは「さする」マッサージであることを意識して、ゆっくりと行ってください。

  1. 首の側面と後ろ側をさする
    首の側面から後ろ側を、反対の手の4本の指でさすっていきます。側面は耳の下から肩の先まで、後ろ側は頭の付け根から肩甲骨の上端まで行います。
    反対側も同様に、それぞれ1分ずつさすります。
    首の付け根を肩先と背中に向かってさする

  2. 足の裏をさする
    足の裏を、指先からかかとへ向けて、両手の親指でさすっていきます。
    反対側も同様に、それぞれ1分ずつさすります。足の裏をさする

  3. ふくらはぎをさする
    足首から膝裏までを、左右の手のひらでふくらはぎを包むように同時にさすり上げていきます。
    反対側も同様に、それぞれ1分ずつさすります。ふくらはぎをさする
  4. 背中をさする
    背中のできるだけ高い位置に両手のひらを当て、背中から腰まで、左右同時にさすり下ろしていきます。このとき、より高い位置に手を当てようと無理をせず、手が届く範囲で行ってください。
    反対側も同様に、それぞれ1分ずつさすります。背中をさする

ここで紹介した方法は、渡辺佳子の著書「1分さするだけ!首リンパマッサージダイエット」から一部抜粋して紹介しております。より詳しい内容は書籍をご覧ください。

後頭部が痛い時のリンパマッサージを実際にやってみた感想

後頭部が痛くなったスタッフが実際にリンパマッサージをやってみた感想になります。

初めに、首の側面と後ろをさすっていきます。

触れてみてまず、首が意外と冷えていることに気づき、ハッとしました。そんな冷えている首をさすって、温めながらマッサージをするのが、とても気持ちいいです!段々と、横を向きやすくもなっていきます。

次に足の裏もさすります。皮膚が厚く硬い場所ですが、さすった時の刺激はバッチリ感じることができます。ふくらはぎも、かかとからふっくらと膨らんでいく部分を包むようにさすりました。

「後頭部が痛いのに何故足をマッサージするのか?」というと、頭部まで上がってしまった余分な気(エネルギー)を、足の方へ下げる効果があるためです。意外にも、上記の「崑崙」など、足には頭に関係するツボが多いのです。手のひら全体でふくらはぎを包み込むことで、複数のツボに触れて、刺激を伝えることができます。

最後に背中をさすりますが、自然と手が回る高さから行いました。特に今回はツボの「腎兪」が大切なので、腰部にさえ届けば大丈夫!腰が温まるのが心地よいです。

やさしく時間をかけて、マッサージしたところ、後頭部の痛みも和らぎました!


頭痛の元はこりの可能性も

いかがでしたか?後頭部の痛みがなくなって、すっきりした女性

危険性のない頭痛は、首肩こりを中心に全身のこりが悪化の原因であることも少なくありません。一見すると頭痛と関係なく思える部位を含め、全身をケアすることで、頭痛改善へ一歩近づくことができます。

もしも今回ご紹介したリンパマッサージで効果が見られない場合や、病院で「危険性がない」と診断されたにもかかわらず、症状が重い頭痛の場合は、より深く徹底した全身ケアが必要です。

こりから来る頭痛なら、プロのリンパマッサージ

首こり解消のリンパマッサージを受ける女性

首こりや、肩こり、背中のこりなど、こりからくる頭痛なら、プロのリンパマッサージで、すばやく解決しましょう。

しかしながら、もしもご紹介したリンパマッサージで効果が見られない場合、専門家による集中ケアに頼ってみるのも手です。

なかなか症状が改善しない方は、お体に溜まっている疲労度が非常に高く、セルフケアだけでは疲労回復が追いつかない証拠です。

初診の方はこちらから24時間予約が可能です。

秋バテを治したいなら、リンパマッサージで予約はこちら。

その際は、お気軽に当院カウンセラーまでご相談ください。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

(社)経絡リンパマッサージ協会 代表理事
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
現在は東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学の非常勤講師を務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。