肩甲骨まわりのリンパマッサージ|巡りを整える4ステップ

肩周りのリンパマッサージをする女性
目次


気づくと肩が前に入り、背中の真ん中あたりが重い。腕を上げると、肩甲骨のまわりがつっぱる。デスクワークが続いた日の夕方に、そんな感覚を覚える方は少なくありません。

肩甲骨のまわりは、ふだんの生活で「意識して動かす」場面がほとんどない場所です。動かさないぶん、血液やリンパの流れも滞りやすいと考えられています。

このコラムでは、肩甲骨を支える筋肉のはたらきを整理したうえで、自宅でできる運動とセルフリンパマッサージをご紹介します。

このコラムのポイント
肩甲骨まわりは動かす機会が少なく、巡りが滞りやすい場所です。先に脚から流し、次に背中・脇・ツボへ。順番に整えるのがコツです。

肩甲骨についている筋肉と、そのはたらき

肩甲骨と付着する筋肉図

肩甲骨は、背中に浮かぶように位置する骨で、いくつもの筋肉に支えられています。代表的なものは次の3つです。

僧帽筋 首から背中にかけて広がる大きな筋肉。肩甲骨を持ち上げたり、寄せたりします。
菱形筋 背骨と肩甲骨のあいだをつなぐ筋肉。肩甲骨を背骨側へ引き寄せ、猫背の予防にかかわります。
前鋸筋 肩甲骨の内側からわきの下へ回り込む筋肉。肩関節の安定や、呼吸の補助にはたらきます。

これらの筋肉がなめらかに動くことで、腕が上がり、胸まわりが広がり、姿勢も保たれます。

反対に、動きが少ない状態が続くと、筋肉がこわばり、そのまわりの巡りも滞りやすくなると考えられています。

肩甲骨が動くと、からだはどう変わるのか

肩甲骨から肩にかけてのリンパマッサージをする女性

肩甲骨がよく動く状態が保てると、次のような変化が期待できると考えられています。

呼吸が深くなりやすい。胸郭(肋骨のかご)が広がりやすくなり、ゆったり息を吸えます。眠りや疲れのとれ方にも関係する部分です。
首肩の負担がたまりにくい。筋肉のしなやかさが保たれ、関節にかかる負担が分散されます。
姿勢を保ちやすい。背すじが安定すると、腰や膝への負担も軽くなる方向にはたらきます。

「病気というほどではないけれど、どこか本調子ではない」。そんな不調の入り口に、肩甲骨の動きの悪さが隠れていることもあります。ご自身の状態が気になる方は、初診のご案内もあわせてご覧ください。

まずは運動で、肩甲骨をほぐす

硬くなった肩甲骨周りのストレッチをしている女性

マッサージの前に、肩まわりをゆるめておきます。いすに座ったままでも、立ったままでもかまいません。

動き 1
左右の中指を、それぞれの肩先にのせます。肘で大きな円を描くように、前まわし・後ろまわしを各10回ずつ。
動き 2
からだの前で、両方の肘をつけます。
動き 3
肘を左右に開きながら、肩甲骨で背骨をはさむように引き寄せます。
動き 4
もう一度、からだの前で肘をつけ、そのまま左右の肘を交互に上下に動かします。

息を止めず、呼吸に合わせて動かすのがコツです。痛みが出るときは無理をせず、動かせる範囲にとどめてください。

肩甲骨まわりのセルフリンパマッサージ 4ステップ

肩甲骨だけを先にさすると、流れが行き止まりになり、のぼせやだるさを感じることがあります。そのため、まず脚から流して全身の通り道を開き、そのあとで背中に進む順番にしています。力は入れず、「気持ちいい」と感じる強さで行ってください。

STEP 1 ふくらはぎ

ふくらはぎのリンパマッサージをする女性

足首から膝の裏のくぼみ(膝窩リンパ節)に向かって、左右の手を交互に使い、下から上へさすり上げます。脚の巡りを先に整えておくと、このあとの流れがスムーズになります。脚のケアを詳しく知りたい方は、足のリンパマッサージの正しいやり方もご参照ください。
STEP 2 肩甲骨の内側

肩甲骨から肩にかけて、リンパマッサージする女性

肩甲骨の内側のきわに沿って、手のひらで、背中側から前(脇の方向)へさすります。左右の手を交互に動かしながら、ゆっくり行います。
STEP 3 脇の下

脇のしたから肩甲骨へ付着している筋肉をマッサージする女性

親指以外の4本の指を、脇の下のくぼみに当てます。指を立てず、指の腹を使って、真上に向かってじんわり押します。脇の下は、上半身のリンパが集まる大切な通り道です。
STEP 4 肩外兪(けんがいゆ)

肩甲骨の上にあるツボ”肩外兪"を押している女性

肩甲骨の内側の上の角にあるツボです。背骨から指4本分ほど外側が目安で、肩甲骨を持ち上げる肩甲挙筋がつく部分にあたります。反対の手で届く範囲で、気持ちよく感じる強さで押してください。

各ステップ、5回ほどを目安に、入浴後や寝る前など、からだが温まっているときに行うと取り入れやすくなります。鎖骨まわりまで続けて流したい方は、鎖骨のリンパマッサージをあわせて行うのもよい方法です。

行う前にご確認ください
発熱・強い痛み・しびれ・腫れがあるとき、また肩や背中の痛みが長く続くときは、セルフケアより先に医療機関の受診をおすすめします。持病のある方や妊娠中の方は、かかりつけの医師にご相談ください。

よくあるご質問

Q. どのくらいの頻度で行えばよいですか。
A. 毎日でなくてもかまいません。気になったときに、無理のない範囲で続けてみてください。強く押すより、やさしくゆっくりさするほうが向いています。
Q. 手の届きにくい場所は、どうすればよいですか。
A. 無理に届かせようとすると、かえって肩に力が入ります。届く範囲で行えば十分です。リンパマッサージ全体の考え方は、リンパマッサージの正しいやり方で解説しています。
ご自身の体質に合う巡らせ方を、知りたい方へ

自分の体質あった、リンパマッサージを受けている女性

セルフケアは手軽ですが、背中は手が届きにくく、ご自身に合った強さや順番も分かりにくいものです。銀座で30年、鍼灸とリンパマッサージを続けてきた銀座ナチュラルタイムでは、お一人おひとりのからだの状態を見ながら、施術を組み立てています。

肩こりのセルフケアについては、肩まわりのリンパマッサージのコラムもご覧ください。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事
東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。