リンパマッサージが痛い?3つの理由と対策を徹底解説!
肩こりのマッサージというと、指圧やもみほぐしのように、こりの芯をぐっと押し込むイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
肩がつらいとき、つい肩そのものを強くもんでしまう。ところがその場は軽くなっても、数日でまた元に戻ってしまう——そんな経験はないでしょうか。
肩に集まった老廃物や余分な水分を本当に動かしたいなら、押し込むよりも「流す」マッサージのほうが理にかなっています。
そこでおすすめなのがリンパマッサージです。
肩ではなく「肩の外側」=脇の下・鎖骨・首の付け根という出口から流していく——それが、揉んでも戻ってしまう肩こりに効くマッサージの考え方です。
この記事では、その考え方にそった4ステップのマッサージのやり方を、順番の理由・効かせるコツ・やってはいけないことまで含めてご紹介します。
肩こりは、肩の血行不良だけで起きているとは限りません。
腕を支え、頭を支え、呼吸にも関わる肩まわりの筋肉は、使い続けるうちにこわばり、その周囲では血液やリンパの通り道も細くなっていきます。
ここで見落とされやすいのが、肩に集まったものが出ていく「通り道」です。
腕と肩のリンパは脇の下(腋窩リンパ節)へ、上半身のリンパは最終的に鎖骨の奥へと集まり、そこで静脈に合流します。
つまり脇の下と鎖骨まわりが詰まったままだと、肩だけをいくらほぐしても、行き場のないものが肩に留まり続けることになります。
もうひとつ、肩こりだと感じている不調の中には、首のこわばりから波及しているものが少なくありません。
全身のリンパが首の付け根で合流する構造上、首が硬いと肩の巡りも滞りやすくなります。
首側の原因やケアについては、首こりの解消法を完全ガイドで詳しく解説していますので、心当たりのある方はあわせてご覧ください。
なお、肩こりには腕の使いすぎ・目の疲れ・姿勢のくずれなど、いくつかのタイプがあります。
ご自分がどれに当てはまるかを知りたい方は、肩こりはマッサージで改善できる|原因別のアプローチが参考になります。
この記事では、どのタイプの方にも土台として使える「流す手順」をお伝えします。
ひとことで「肩こりのマッサージ」といっても、アプローチはいくつかあります。得意なことがそれぞれ違うので、簡単に整理しておきます。
どれも間違いではありませんが、もんでもすぐに肩こりが戻ってしまう方には、巡りの滞りという根っこにアプローチできる「流す」マッサージ=リンパマッサージが、土台として特に理にかなっていると当院では考えています。
この記事では、そのやり方を4つの手順で詳しくご紹介します。

リンパは皮膚のすぐ下を流れています。強い力でグリグリと押すほど効くものではなく、むしろ流れにくくなると考えられています。
次の3つを守るだけで、手応えがずいぶん変わります。
▶ 体があたたまっているときに
入浴中や湯上がりなど、体が温まっているタイミングが向いています。冷えて縮こまった状態で行うより、同じ手数でもゆるみやすくなります。
▶ 「さわっているだけ」くらいの弱さで
手のひら全体を肌に密着させ、皮膚が軽くずれる程度の圧で十分です。痛みを感じる強さは強すぎるサインだと考えてください。
▶ 出口から順に、ひとつずつ
出口である脇の下・鎖骨をゆるめてから、肩や首へ向かいます。詰まった先を開けずに手前から押しても、行き場がないためです。この記事の4ステップも、その順番に並んでいます。
さする・もむ・押す・たたくといった手の使い分けそのものについては、リンパマッサージの正しいやり方を図解で解説にまとめています。
左右それぞれ1分ずつ、上から順に行います。回数を増やすより、毎日同じ順番で続けるほうが変化を感じやすくなります。
わきの下に4本の指をあて、下からつかむようにして、ゆっくり息を吐きながら5秒かけて押します。続けて、腕の外側を手首からわきの下まで手のひらでさすりあげます。(左右各1分)
わきの下には腋窩リンパ節があり、腕と肩から戻ってきたリンパの集まる場所です。ここを先にゆるめておくことで、このあとの流れがスムーズになります。
わきの下は、もともと痛みを感じやすい場所です。痛くない範囲で行ってください。ごく弱い力でも強い痛みがある場合や、しこりのような感触がある場合は、セルフケアを続けずに医療機関でご相談ください。
腕そのものの張りが気になる方は、脇の下のリンパマッサージのやり方や腕のマッサージのやり方もあわせてどうぞ。
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鎖骨の下側を、胸の真ん中からわきの下に向かって、手のひらでやさしくさすります。ステップ1でゆるめた腋窩リンパ節へ流し込むイメージです。(左右各1分)
巻き肩ぎみの方は、この胸の前側が縮んで硬くなっていることがよくあります。ここがゆるむと、肩が後ろに戻りやすくなり、肩そのものの負担も減っていきます。
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鎖骨の上のくぼみを、肩先から中央に向かって手のひらでやさしくさすります。(左右各1分)
鎖骨の奥は、全身をめぐったリンパが最後に合流する場所です。上半身のケアの中でも、とくに大切にしたい一手といえます。

くぼみは押すと痛みを感じやすく、こすると皮膚が赤くなりやすい場所でもあります。赤みが出てきたら、その日はそこで切り上げてください。なお、鎖骨まわりを見た目の面から整えたい方には、デコルテマッサージのほうが目的に合っています。
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両手を交互に使い、耳の下あたりから鎖骨の中央と肩先に向かって、上から下へ流します。往復させず、下向きの一方通行で繰り返すのがコツです。(左右各1分)
首の横が張っている方は、最初はうまく手がすべらないかもしれません。それでも毎日続けるうちに、少しずつ動かしやすくなっていきます。耳の下には耳下腺リンパ節があり、ここの滞りがゆるむとフェイスラインまわりの重さが軽く感じられることもあります。

ここでご紹介した手順は、渡辺佳子の著書『免疫リンパマッサージダイエット』から一部抜粋してご紹介しています。より詳しい内容は書籍をご覧ください。

よかれと思って行ったことが、かえって肩の重さを長引かせてしまうことがあります。次の3つは避けてください。
× こりの芯を、力いっぱい押しつぶす
強い刺激に対して筋肉は防御的に硬くなることがあり、翌日に重だるさが残る一因にもなります。「もっと強く」ではなく「もっとやさしく、長く」が目安です。
× 首の前側を、指でぐいぐい押す
のど仏の両脇には太い血管や神経が通っています。首は手のひらで上から下へさするにとどめ、指を立てて押し込まないでください。
× 気持ちよくて、つい長時間やり続ける
同じ場所をこすり続けると皮膚が傷みます。1か所1分を目安に切り上げ、翌日また行うほうが体には無理がありません。
銀座30年の施術現場から
「肩がつらい」とおっしゃって来院される方の体に触れると、肩そのものよりも、わきの下と鎖骨まわりのほうが硬くなっている——体感ではありますが、そうした方が本当に多くいらっしゃいます。
ですから私たちの施術も、肩からは入りません。まず腕とわきの下、そして鎖骨まわりの通り道を開けてから、肩へ戻っていきます。
順番を変えるだけで、同じ強さで触れていても肩のゆるみ方が違ってくるのを、日々感じています。
肩をほぐしても数日で戻ってしまう方には、出口が詰まったままだった、という背景があることも少なくありません。
足すのではなく、巡らせる。肩こりのケアは、まさにその考え方が生きる場面だと考えています。

体に触れて肩こりを診ていくと、詰まり方にはいくつかの傾向があります。
施術の現場でよく見られる3つのタイプをご紹介します。
▶ デスクワーク型|巻き肩で、鎖骨の下が板のように硬い
1日中パソコンに向かう方に多いタイプです。
肩そのものより、鎖骨の下から脇の下にかけての胸の前側が縮んで硬くなっており、鎖骨がくぼまず埋もれ気味になっています。
ステップ2・3の鎖骨まわりが、特に効いてくる傾向があります。
▶ 家事・育児型|腕の張りが強く、脇の下が特に痛がりやすい
荷物を持つ、抱っこするなど、腕を使う動作が多い方に見られます。
腕そのものの疲労が肩に波及しているケースが多く、わきの下の腋窩リンパ節に触れると、ごく軽い力でも痛みを訴える方が少なくありません。
ステップ1を、他のタイプよりゆっくり丁寧に行うことをおすすめします。
▶ 首こり先行型|肩より、首の付け根が芯まで硬い
「肩がつらい」と訴えて来院されても、実際に触れると首の付け根のほうが明らかに硬い、というタイプです。
ストレスや睡眠不足が重なっている方に多く見られます。
このタイプは肩だけのケアでは変化が出にくく、ステップ4に加えて首側のケアを組み合わせる必要があります。
セルフケアを始めて比較的早く変化を感じられる方に共通しているのは、痛みを我慢して強く行うのではなく、弱い力で毎日続けている、という点です。
逆に、強い力で短期間だけ集中して行った方は、揉み返しで一時的に悪化し、続かなくなってしまうことがあります。
4ステップを続けても肩の重さが戻ってくる場合、原因が肩以外にあることが考えられます。心当たりのあるところから確かめてみてください。
首すじの張りや頭の重さ、目の疲れをともなうなら、首側が主役かもしれません。
首マッサージのやり方で部位別のほぐし方を、首こりに効くツボ5選でツボ押しを紹介しています。
スマホを見る時間が長い方はスマホ首(ストレートネック)の治し方もご覧ください。
顔や脚のむくみも一緒に気になる方には、首こりとむくみの関係が手がかりになります。
腕が上げにくい、背中がつっぱるといった動きの制限があるなら、肩甲骨周りのリンパマッサージや背中のこりのケアを組み合わせると、肩だけを触るより変化が出やすくなります。また、こりというより見た目の盛り上がりが気になっている場合は、目的が異なりますので肩の盛り上がりをなくすには?をご覧ください。
なお、自分の首の状態は自分では判断しにくいものです。LINEで簡単にできるチェックテストをご用意していますので、気になる方は下のバナーからお試しください。
Q. 肩こりのマッサージは、どの方法が一番効果的ですか?
A. もみほぐしやツボ押しにもそれぞれの良さがありますが、もんでも肩こりがすぐに戻ってしまう方には、老廃物や余分な水分の巡りを整える「流す」マッサージ=リンパマッサージが合っていると考えられています。まずはこの記事でご紹介した4ステップからお試しください。
Q. 毎日やっても大丈夫ですか?
A. 1か所1分程度のやさしい圧であれば、毎日行っていただいて差し支えないと考えられています。むしろ週に一度たくさん行うより、毎日少しずつのほうが向いています。頻度についての考え方はリンパマッサージは毎日やってもいい?で詳しく解説しています。
Q. どのくらい続けると変化を感じますか?
A. 体感ではありますが、その場で肩が軽く感じられる方もいらっしゃいます。一方で、長年のこりが日常的に楽になってくるまでには、2〜3週間ほど続けていただくことが多い印象です。
Q. 肩を直接もんではいけないのですか?
A. いけないわけではありません。ただ、強くもむほど筋肉が防御的に硬くなることがあります。この記事の4ステップで出口を開けてから、最後に肩をやさしくなでる程度に触れると、無理がありません。
Q. しびれや強い痛みがあるときも行ってよいですか?
A. 腕や手のしびれ、じっとしていても続く痛み、発熱をともなう場合は、セルフケアを控えて医療機関にご相談ください。原因がこり以外にある可能性があります。
肩こりのリンパマッサージは、わきの下 → 鎖骨の下 → 鎖骨のくぼみ → 首の横、という順番で行います。
強い力は要りません。体があたたまっているときに、出口から順に、やさしく。この3つを守るだけで、毎日のセルフケアの手応えは変わっていきます。
それでも戻ってしまう肩こりには、姿勢や生活習慣、自律神経の状態など、セルフケアだけでは届きにくい背景があることもあります。
体の声を聞きながら、無理のない範囲で続けてみてください。
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長 一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事 東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。 経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。