首こりに効く ! リンパマッサージの方法をプロが解説。

目次

首こりが肩こりを引き起こす⁈

「肩が凝る」と感じて、肩ばかり押していませんか?

自分は肩こりだ。と思っている方の多くは、実は、「首こり」が原因の肩こりである可能性も高いのです。

首こりを悪化させる原因は、過度なストレス、慢性的なハードワークからくる自律神経の乱れ、そして姿勢の悪さなどです。

最近では、テレワークなどで一日中パソコン作業するなどの頭の疲れからくる首こりも増えています。

この首こりや、肩こりをどうしたらいいか?と悩んでいる人も多いはず。

今回は、首こりの改善方法、セルフケアのやり方など、詳しく解説いたします。

早期の「首こり」の改善には、専門的な知識と原因の鑑別が大切

実は首こりと一言に言っても、その人により原因が千差万別です。

そのため、自分自身の本当の肩こり・首こりの原因を特定する必要があります。

また、首こりのケアには、肩、首のツボを押すだけではなかなか改善しません。

なぜならば、首こりの多くは首だけの部分的な問題ではないからです。頚部(首)には、大切なリンパ、筋肉、神経などがあります。

重度の首こりのケアは、自分でケアする前に、一度専門家に相談することも必要です。頚部(首)は、とてもデリケートな部分で、より専門的な知識が必要なのです。

 また、首のこりがひどい、つらい場合、頚椎の問題も視野に入れて考えます。つらいからといって、むやみに首の骨の調整する方も多いのですが、首のケアをする前には頚椎を触る治療に関しては、特に注意が必要です。

 痛みやしびれなどの症状がある場合は、頚椎の疾患なども問題の可能性もあり、自分でケアする前に、先に医療機関の受診をお勧めします。

 特に頚椎の問題ではなく、中程度の首こりの場合、その周辺にある軟部組織である首の関係する筋肉などの状態を、ケアの前に確認することも重要です。

大切なのは、自分の肩こり、首こりの原因が、何であるのかを見極めることです。

首こりが重症化すると、その原因も、複雑になります。

慢性的な首こりで筋肉の柔軟性が失われると、頚椎の問題や、症状で、手術に至ってしまう方もいらっしゃいます。首こりを放置せず、早めにケアし、改善することが、首こりを慢性化させない一番の対策になります。

軽い首こりには、全身のケア、リンパマッサージが予防効果を高める

首の筋肉解剖図、胸鎖乳突筋がポイント

 軽い首こりには、セルフケアができる条件を満たせば、リンパマッサージは効果的です。

だだ無作為に押したり、首のリンパを流すだけではなく、解剖学的な知識に基づき、肩、首・腕・鎖骨周り加えて、全身をケアすることが必要です。

 まずは、自分の首こりの原因を知り、辛さと関係する筋肉を柔軟にし、全身リンパ循環を良くすることが改善の近道になるのです。

 長年の慢性的な首こりは、セルフケアではなかなか改善できないケースは多いもの。

セルフケアをはじめる前に、早めに医療機関や専門家に相談することも近道になるのです。

また、専門家に相談し、問題がない場合は、早めに日々の疲れを改善していくことが、首こりケアのポイントです。そして、つらい部分だけをケアするだけでなく、全身のケアが体質改善につながります。

ここでは、なぜ首が大切な場所なのかという、首の解剖学的な解説をします。

首は 4~6kgある頭を支えて、胴体と頭をつなぐ重要な部位です。

まずは、7つの頚椎、胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋、頭板上筋など、多くの筋肉によって構成されていますが、背中や脚の筋肉に比べると、細く繊細な筋肉が多い部分です。

 私たちの治療院でも、院長クラスもしくは、国家資格を取得し、教員資格を持つプロの専門家でも、細心の注意をはらいます。

首こりの症状には、こりだけではない、隠された問題がある可能性があるのです。

首のリンパマッサージは、「押す」ではなく、「さする」。

首のリンパマッサージをする女性

 専門的なマッサージの知識がない場合、特に頚椎付近を「押す」方法が一番注意が必要です。

首を横に押しすぎたりすると、強く押しすぎてもみ返しや、寝違いといったトラブルが起こりやすい部位です。

 今回紹介するリンパマッサージは、「押す」マッサージではなく、セルフケアでもトラブルがない「さする」方法を紹介します。

首のリンパマッサージセルフケアを行う前のチェック

首のリンパマッサージを安全に行う前のセルフチェック

以下の問題がないことが、セルフケアができる条件です。あてはまる項目がある場合は、まずは医療資格がある専門家に相談しましょう。

疲れやこりは毎日の問題で起こります。医療資格がある専門家に自分の首こり問題を鑑別してもらった後に、日々のケアをこまめに行うことが正しい予防につながります。

以下の方は、セルフケアの前に専門家に相談しましょう。

  • □首に痛みやしびれがない
  • □事故などにあっていない
  • □頚椎に損傷がない
  • □頚部に疾患がない
  • □リンパが腫れていない
  • □熱などがない
  • □重だるさなどがない
  • □原因不明の頭痛などがない
  • □重症な疾患がない
  • □体調が悪い
  • □肩、背中、腰が痛い
  • □以前より体重減少が著しい
  • □口臭、体臭が気になる
  • □最近、痩せにくい
  • □疲れやすい

これ以外にも気になる不調がある場合は、セルフケアの前に専門家に早めに相談してください。

毎日の疲れをケアすること、リンパマッサージでセルフケアを続けることで、まずは、身体全体のバランスが整えられていきます。

 効果の実感は、首こりが改善する前に見た目も現れてきます。「埋もれていた鎖骨が見えてきた」「肩の盛り上がりが小さくなった」など目に見えるものが多いです。

慢性的な首こりは、表層の筋肉だけだなく、深層部の筋肉もこっている可能性があります。深いコリには鍼灸治療などは、早く効果を得られる可能性があります。

無理に自分自身で頑張るよりも、慢性的な原因を解決し、その後セルフケアで維持、予防することも良いでしょう。

セルフケアは、日々の疲れをとり、効果が出るまで、少しずつでも、毎日、こまめに継続して行うことが大切です。

自分で安全に行うための首こり解消リンパマッサージ

首のリンパマッサージを安全に行うためのチェック

 今回ご紹介するリンパマッサージは、専門家に鑑別してもらい、セルフケアの条件が整っている人に行えるマッサージになります。先に、注意点を読んでから行っていきましょう。

東洋医学には、体質を改善する本治法と部分的な問題を改善する標治法という治療法があります。

今回ご紹介するのは、標治法として首こりの予防となる部分ケアを、効果的で、安全な「さする」方法を中心とした手技で監修しています。

「さする」手技で、首のリンパマッサージを効果的に行う方法

ここで、ご紹介するセルフケアのリンパマッサージは、「さする」という手技を中心とした方法です。

「さする」と聞いてまず思い浮かぶのは、「痛いの痛いの飛んでけ」というおまじないや、「大丈夫だよ」と人を慰める際に背を撫でる行為ではないでしょうか。

「さする」という行為はひとを思いやり、手を当てること…まさに「手当て」の原点なのです。

しかしそう聞くと、「本当に治療効果があるの?」「気休めじゃないの?」と効果の有無が気になる方もいらっしゃると思います。

「さする」という動作は、私たちが専門家に教えるマッサージ臨床学でも、マッサージの技法の中では、基本中の基本、優しい手技ではありますが、手技としてはとても効果の高い「軽擦法」と呼ばれる手技の一つになります。

ポイントは、だださするだけというよりも、手の使い方、身体の重みを使用して行っていくことがとても重要になります。

 セルフケアでリンパマッサージを行う場合の基本は、強くこすらないこと。「痛くない、心地いい、力加減」で、やさしくさするリンパマッサージを行ってください。

 やさしくさするマッサージでは物足りないという方は、行っている部位のポイントが間違っていることがあります。効果的なマッサージは、密着性があります。密着性のあるマッサージは、効果を高めます。

もし、より効果を高めたいのであれば手の隙間をなくし密着性を高め、身体の使い方、姿勢などの改善が必要です。慢性的な首こりは、長期的に筋肉が硬くなっています。

今回の「さする」リンパマッサージは、皮膚の表層から筋膜までの部分へのアプローチです。筋肉までほぐすのは、専門家の知識と技術必要です。

 何もしないより、表面からさすること、リンパマッサージ継続することで、皮下組織の循環を促し、今後の予防につながります。

 首こりを早く改善した方は、リンパマッサージの回数を1日3回まで増やすことで、対応してみてください。

「さする」手技、軽擦法のすばらしい効果について

具体的に、「さする」手技、軽擦法にはどんな効果が秘められているのか、わかりやすくご紹介していきましょう。

  1. 冷えやむくみの改善を促す
    「さする」治療法の中で、最も大きい効果です。さすられた刺激を受けて、その部位の血液やリンパの流れが改善します。また、血行がよくなるため、自然と冷えも軽減します。
  2. こり(筋肉の柔軟性)の改善を促す
    こちらも嬉しい効果です。①の血行促進効果に加え、物理的な刺激によって、筋肉の緊張がほぐれ、こりの改善が期待できます。
  3. 肌の新陳代謝を増進
    「擦る」と聞くと、赤くなって肌を痛めてしまうイメージですが、適度な「さする」刺激は、肌に良い影響を与えます。皮膚になる受容器、神経が刺激されるため、皮膚呼吸・皮脂腺・汗腺など肌の新陳代謝が活発化し、皮膚が悪いものを弾く免疫防御力も強化されます。
  4. リラックス効果を促す
    泣いているひとの背中をさすって落ち着かせる行為がありますが、「さする」にはひとをリラックスさせる力があります。「さする」ことで、乱れていた自律神経が整い、身体をリラックスに導く副交感神経優位になり、深いリラクゼーション効果が得られます。
    ちなみにその理由は、発生学的に説明ができます。それは、ひとが産まれる前、受精卵の時代にまで遡ると理解できます。
    私たちの体は皆、受精卵が細胞分裂を続けて、骨や筋肉、内臓などの器官を作っていったことで、赤ちゃんとして誕生します。その際、皮膚と自律神経は共に、同じ「外胚葉」という部分から発生するのです。そのため、皮膚と自律神経の関係は深く、肌への快感刺激は自律神経に良い影響をもたらすと言われています。
  5. 神経の修復を促す
    「さする」効果は皮膚の浅い部位に留まりません。医学的な研究によって、「さする」行為が神経細胞(ニューロン)を修復する、ということが判明しています。このように「さする」行為には、すぐれた効果が期待できるマッサージ法なのです。

それでは、これらの効果を期待して、首こり解消のリンパマッサージのステップをご紹介していきます!

首こりを解消するリンパマッサージ 

1〜4までのステップを焦らずに、ゆっくりと行なってください。

わきの下の腋窩リンパ節を刺激し、腕をさするリンパマッサージ

1. わきの下に4本の指をあて、下からつかむようにゆっくり息を吐きながら5秒かけておす。
2. 次に、腕の外側を手首からわきの下まで手のひらでさすりあげる。(左右各1分間)

わきの下をおし、腕をさするリンパマッサージ

わきの下には腋窩リンパ節と呼ばれるリンパ節があります。まずはリンパ節を刺激してから、腕のリンパマッサージをするのが効果的です。

わきの下は痛みを感じやすい繊細な部分でもあります。痛みを感じない程度に行いましょう。また少しの力でも痛みを感じる場合は、病院で精査を受けた方がよい可能性もあります。毎日のセルフチェックとしても、役立ててください。

鎖骨の下をさするリンパマッサージ

鎖骨の下を胸の中央からわきの下にむかってさすり、やさしくリンパを流す。(左右各1分間)

鎖骨の下をさするリンパマッサージ

わきの下にあるリンパ節(腋窩リンパ節)へむけて、リンパを流し込むイメージでさすりましょう。特にデコルテの部分は、よく人目につく部分です。

鎖骨がしっかりと浮き出て見えることが、むくみのない、流れの良い体であることの証明になります。

鎖骨が見えているかどうかは、むくみがあるかないかの目安にもなります。

ただし、鎖骨が見えていないからと頑張りすぎて、マッサージのやりすぎになるのは禁物です。

鎖骨の上のくぼみをさするリンパマッサージ

鎖骨の上のくぼみを肩先から中央にむかって手のひらでやさしくさする。(左右各1分間)

鎖骨のくぼみをさするリンパマッサージ

鎖骨のくぼみがしっかりとあればあるほど、鎖骨のラインはきれいに見えます。鎖骨の上のくぼみは、強く押すと痛みを感じる場所でもあります。ゆっくりとやさしくリンパマッサージをするようにしましょう。

また皮膚が摩擦で、赤くなりやすい部位でもあります。もしも赤くなってきたら、少し間をおくようにしましょう。

首のリンパを流すリンパマッサージ

両手を交互に使い、耳の下あたりから、鎖骨の中央、耳の下から肩先にむかってさすり、リンパを流す。(左右各1分間)

首のリンパを流すリンパマッサージ

このステップでケアする首の側面は、首こりの方は特にパンパンに凝っている部位です。

手が動かしにくく、リンパマッサージしにくい部分でもあるかもしれませんが、ゆっくりとケアし続けることで、徐々に変わっています。

専門家以外の方が首を強く押すのは危険が伴うため、こっている部分は、つい押したくなりますが、「さする」治療法を続けてください。

耳の下には、「耳下腺リンパ節」があります。このリンパ節の滞りをなくすと、フェイスラインがスッキリとして、小顔効果も期待できます。

注意事項

効果が出にくい場合は、カウンセラーにご相談ください。ここで紹介した方法は、渡辺佳子の著書「免疫リンパマッサージダイエット―強いカラダをつくり、美ボディを手に入れる!!」から一部抜粋して紹介しております。セルフケアを専門的に続けたい方には、より詳しい内容は書籍をご覧ください。

まとめ

首こり解消のリンパマッサージはいかがでしたか?毎日のセルフケアにリンパマッサージをぜひ取り入れてください。

またリンパマッサージだけでは物足りない方は、首こり改善のストレッチも取り入れてみてください。

さらに余裕のある方は、首こり改善のツボ押しもやってみましょう!

首こりの解消には、毎日のセルフケアがとても大切です。すきま時間を有効に活用して、セルフケアしてくださいね。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

(社)経絡リンパマッサージ協会 代表理事
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
現在は東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学の非常勤講師を務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。