むくみとストレスの意外な関係

目次

ストレスでむくみが発生してしまう理由

なぜストレスやイライラで、顔や足のむくみが起こるのか?

いつもよりストレスを感じた後に、顔のむくみや、足のむくみが!という経験はありませんか?

上司に怒られた、プレゼンで緊張した、イライラした、精密な作業を行った後など…。

普段より強いイライラやストレスを感じた、その翌日のことを思い出してみてください。

朝、顔を洗おうと洗面台に立ってみると、ストレスで、顔のむくみがひどくなっている気がしませんか?

「昨日は大変なことがあったから…」とつい流してしまいがちなその症状、単なる気のせいではありません。

昨今、心身症という言葉に代表されるように、心の状態や強いストレスの有無が体に影響を及ぼすことが、西洋医学的にも認められ、研究が進められています。

今回のコラムでは、むくみとストレスの関係、むくみの仕組みや、ストレスホルモンであるコルチゾールなどについて、詳しくお話いたします。

むくみには正常範囲のむくみと、病気から来るむくみがあります。

今のむくみは、病気なの⁈正常なむくみなの⁈

あなたのむくみはどの程度?

自分にむくみはどんなむくみなのでしょうか?むくみと言っても、一言ではわかりにくい人も多いと思います。

むくみにも、その状態の程度によって、病的なむくみ(浮腫)と、生理作用として正常範囲内のむくみがあります。

一般的な正常範囲内のむくみは、老若男女を問わず誰もが、大なり小なり悩みを抱える症状の一つです。

また、病的なむくみ(浮腫)は、癌のリンパ節切除術後や、内分泌障害によっても引き起こされ、部分的にむくみ(浮腫)がひどくなると、病院での治療、リンパドレナージュが必要になる方もいらっしゃいます。

このコラムでは、病院にて診断名を伴う浮腫レベルではなく、生理作用として、正常範囲内でのむくみをターゲットとしてお話しします。

「なんとなくいつもより足や顔がむくむ」といった自覚症状を訴える方の為の、セルフケアでできるリンパマッサージをお伝えします。

私たちのような鍼灸マッサージ治療院などに来院される方は、自分のむくみは病気なのか⁈正常範囲なのかが、判断できない段階の方が多くいらっしゃいます。

気になる方は、一度専門家、または医師に相談してみましょう。生理作用として、正常範囲のむくみならば、セルフケアのリンパマッサージ、十分、ケアすることができます。

むくみだけでなく、疲れも感じている場合などは、東洋医学的な側面での治療が有効な場合もあります。

自分のむくみの種類を、正しく知ることが、早期改善につながります。

むくみ(浮腫)のメカニズムについて

足のむくみがひどい女性の写真

なぜ、人の身体はむくむのでしょうか?

むくみとは、人の身体に元々備わっている、水分代謝の機能が何らかの理由で低下した状態で起こります。

体の水分は、細胞の中の液体(細胞内液)と、細胞の外の液体(主に血液・リンパ液・間質液)に大別されます。この細胞外の液体のうち、血液は血管に、リンパ液はリンパ管の中に回収されて、全身を巡っています。

しかし間質液は、細胞と細胞の間に過剰に溜まってしまったり、組織内に過剰に貯留したままになったりと、むくみの主な原因となる物質でもあります。

間質液は本来、毛細血管とリンパ管を行き来する物質でもあります。正常であれば、血管に水分を、リンパ管にタンパク質や老廃物を回収してもらえるのですが、この機能は低下してしまうことがあるのです。

その原因の一つが、通称「ストレスホルモン」と呼ばれる「コルチゾール 」という物質です。

ストレスと関係するホルモン「コルチゾール」について

ストレスホルモン「コルチゾール」とはどんなものでしょう?

ストレスホルモン「コルチゾール」って、なに?

コルチゾールとは、別名の通り、体に大きなストレスがかかると分泌量が増えるホルモンです。このホルモンが体に与える影響は様々ありますが、中でもタンパク質の代謝、特に血管の形成に影響を与えることが2019年ポーラオルビスホールディングスの研究によって判明しました。

研究によると、コルチゾールが細胞同士の接着剤の役割を果たしているタンパク質を減少させてしまい、その結果、細胞間の接着が弱まる現象が確認されました。

この現象は、実際の私たちの体では何が起きているといえるのでしょうか?

ストレスを受けると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、血管とリンパ管の間の水分(間質液)の出し入れの働きを低下させます。

その結果、血管とリンパ管の相互を行き来する間質液がもれ出しやすくなったり、間質液を回収しづらくなってしまいます。

ストレス増加 →  コルチゾール増加 →  むくみが発生

つまり、ストレスによって、むくみが発生してしまうことがわかりました。

また、コルチゾールの持つタンパク質代謝の働きは、筋肉を構成するタンパク質にも影響を及ぼします。

特に体の水分と老廃物を回収してくれる静脈とリンパ管には、動脈や心臓のようなポンプ機能を果たす筋肉がありません。代わりに、手足を動かす骨格筋がポンプの役割を務め、水分の運搬を行っています。

コルチゾールが過剰に分泌され、これらの骨格筋に作用すると、タンパク質代謝が過剰となり、段々と筋繊維そのものが細くなっていってしまいます。

筋肉が痩せ細ると、静脈やリンパ管の水分運搬力も低下してしまいますから、コルチゾールはこちらの面でも、水分代謝に強い影響力を持つホルモンといえます。

コルチゾール分泌がバランスを崩すわけ

コルチゾール分泌のバランスがくずれるわけは?

コルチゾールの分泌が増えるのは、ストレスから身を守ろうとして起こる自然現象です。

そのため、瞬間的で一時的な分泌過多であれば問題にはなりません。

コルチゾールは免疫・中枢神経・代謝など、体の様々な機能にとって必要不可欠なホルモンであり、ただの悪者ではありません。

逆にコルチゾールが低下し過ぎると、ストレスに対抗できなくなってしまう場合もあります。

現代社会において、ストレスと全く無縁のひとはいらっしゃらないと思います。

中には、職場・家庭・学校など様々な場所で、強いストレスに晒され続けている方もいるのではないでしょうか。

ストレスホルモン「コルチゾール」のコントロールは脳と副腎

コルチゾール分泌がバランスを崩す原因は、脳と副腎がポイント?

コルチゾールのコントロールは脳と副腎

コルチゾールは、副腎という腎臓の上部にある小さな臓器から生成・分泌されます。その副腎に「コルチゾールを分泌せよ」と命令するのが、脳の下垂体です。

そのため、コルチゾール分泌がバランスを崩す原因は、主に脳と副腎の2点が考えられます。

  1. 脳に過剰なストレス負荷がかかる
  2. 副腎が疲労している

1. 脳に過剰なストレス負荷がかかる

コルチゾールの分泌は、自然と朝の目覚めと共に増え、夜には少なくなります。体の1日のリズムを整えてくれるホルモンでもあるのです。

ところが、ストレスが強くなる際には往々にして、1日のリズムは崩れがちです。それは悪いストレスだけではなく、「旅行前にワクワクして眠れなかった」「結婚式直前で緊張している」などの嬉しいストレスも含まれます。

お仕事の関係で昼夜逆転生活が続いたり、生活リズムが狂うと、「コルチゾールを分泌せよ」と命令する脳の働き(副腎皮質刺激ホルモン)のバランスも崩れ、過剰なストレスホルモンが副腎で生成されてしまいます。

2. 副腎が疲労している

コルチゾールの生成所である副腎は、時に疲労してしまうこともあります。

脳を襲った強いストレスに対抗しようと、大量のコルチゾールを分泌したとします。すると、ストレスへの対抗手段であるコルチゾールを生成する副腎そのものが疲労して、十分なホルモンが作られない状態になってしまうのです。

ちなみに、東洋医学でも腎の変調は、疲労と関係すると言われています。

こんな症状はありませんか?副腎疲労の主なサイン

副腎のつかれがわかる症状のリスト

  • 常に倦怠感・疲労感がある
  • 寝付きが悪く、睡眠の質も低い。朝の目覚めも悪い
  • 集中力や、やる気の低下
  • 風邪をひきやすくなる
  • 皮膚のトラブル

このような心や体の両方に症状が現れます。忙しい時期を抜けてもこうした症状が長く続く場合、単に「疲れているから」と放置せず、専門家、医療機関の受診をお勧め致します。

過剰なコルチゾールはむくみを悪化させる一方で、現代のストレス社会を生きる上で必要不可欠なホルモンでもあります。

むくみとストレスを改善する方法

医師に「ストレスですね。」と言われたら、どうする?

ストレスの解消法

心が体に作用すると認知が進んだのは、医学的にとても喜ばしいことです。しかしながら一方で、「ストレスですね。」の一言で診断・治療を終えられてしまう症例が増えています。

しかし「ストレスを溜めないようにしてください」「ストレスを解消させてください」と言われても、本人にとっては、そう簡単ではないでしょう。

職場や学校がストレスでも、転職・転校することは容易ではありません。

人間関係も、素早く断ち切れる関係とそうではない関係でしたら、後者の方が多いでしょう。

ストレス発散のための、運動や趣味などの時間も取れないほど、忙しい方も多いのではないでしょうか。

ストレスが溜まっているときは、判断力なども低下していることが多いもの。いろいろとはじめる前にケア、適切な治療などでまずはカラダを癒すことも大切です。

疲れをとること身体にかかる負荷を和らげ、ストレスの感じ方も変わってくると思います。

むくみは、ストレスが溜まりすぎているサイン

顔のむくみをケアをしよう

むくみとストレス、一見関係のなさそうな組み合わせですが、実はとても関係のあることだということがご理解頂けたと思います。

実際に、私たちの治療でもむくみがある患者様の多くに、ストレスが溜まっている方が多いと感じます。

その患者様は、解決できないストレスのループに入っていることも多いのです。

ストレスが溜まっているときは、ずっとそのストレスについて考えている人も多いと思います。

その結果、さらに脳が疲労してしまい、むくみ以外にも身体にも症状が出てしまいます。

そして、その負のループを自分ひとりで解決できる人は少ない気がします。

だからこそ、一人で悩まず誰かに助けてもらうこと、人と話したり、専門家に相談することで、今よりストレスが改善し、身体が楽になると同時に、問題解決のドアが開くことがあります。

むくみをリンパマッサージで取るだけで、不思議ととても重く感じていたストレスが、楽になったりするものです。

日々のむくみを改善するためにも、早期ケアが大切です。

自分の身体に合ったリンパマッサージをしっかりと行い、むくみにくい予防、カラダづくりを目指しましょう。

むくみのないすっきりとした小顔になるリンパマッサージ

リンパマッサージで、むくみのないすっきりボディを手に入れましょう!

病気ではないけど、セルフケアでは改善できないむくみの治療は?

ひどいむくみの場合は、セルフケアではなく、専門家に相談しよう

病気の場合は、医療機関の受診が必要ですが、すでに病気ではなく、顔のむくみがひどくて、パンパンになっている、足のむくみは慢性的で、足首もみえないなど。正常範囲のむくみではありますが、むくみが気になる場合は、必ず専門家に相談してみましょう。

例えば、私たちの治療院では、国家資格を持つ先生が問診・施術を行います。

我々が有している、鍼・灸・あん摩マッサージ指圧師の医療国家資格の取得には、3年間の勉強が必要で、学生生活の間に、解剖学、生理学、東洋医学、臨床に関わる科目を学びます。

まずは、その方のむくみの状態を見て、病的なものか、一般的なものかを鑑別し、病的な場合は医療機関の受診をおすすめします。

重症な病気ではない方や浮腫でもケアが必要な場合は、適切な治療からはじめていきます。

自分自身のお身体の状態をしっかりと把握し、むくみの早期改善からはじめることが大切です。

リンパマッサージは、むくみの解消に即効性があり、効果を実感しやすい方法です。

鍼灸では、東洋医学的側面からの体質改善も行なっていきます。

私たちの治療では、経絡リンパマッサージという治療法があります。

西洋医学と東洋医学の両面からの処方により、体質、症状、局所的な問題点という総合的な判断で専門士が施術を行なっていきます。

症状がひどくなる前に、しっかりとケアをおこなう事が最も大切なこと。

ふくらはぎのセルフケア リンパマッサージで、症状がひどくなる前にケアをする女性

症状は、ひどくなる前にケアを行うことが一番大切です。そして、むくみにくい身体づくりには、今のストレス、疲れを改善することです。病気は、小さなストレス、症状からはじまります。

身体からのSOSを放置せず、今日から自分のカラダと向き合い、ケアをスタートしてみましょう。
半健康症候群の段階で、早期ケア、早期治療、体質改善を行うことが大きな病気の予防になります。

私たち銀座ナチュラルタイムも、日々、頑張られている方々の応援を使命と考えています。
この記事で、むくみとストレスに気づいた皆様のお役に立てることを願っています。

つらいストレス、むくみは我慢しないでください。この記事が元気で、楽しい毎日のきっかけになれば幸いです。

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この記事を監修した人
渡辺 佳子 (わたなべ けいこ)

(社)経絡リンパマッサージ協会 代表理事
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長
現在は東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学の非常勤講師を務める。

経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。