リンパマッサージを自分でやるための基礎知識|脚のむくみに効く9ステップ
「リンパマッサージが良いとは聞くけれど、サロンに通う時間はないし、自分でできるものなのだろうか」——そう感じている方は少なくありません。
結論から言うと、正しい知識さえ押さえれば、リンパマッサージは自宅で一人でも行えるセルフケアです。
この記事では、自分でリンパマッサージを行うために最低限知っておきたい基礎知識と注意点、そして脚のむくみや疲れに効く9ステップのやり方を、経絡リンパマッサージの専門家の著書をもとにご紹介します。
とくに脚は心臓から遠く、立ちっぱなし・座りっぱなしで滞りやすい部位です。今日から一人で始められる基本の流れを身につけて、軽やかな脚を目指しましょう。

リンパは、体の免疫機能や老廃物の排出を担う体液です。血液と違って心臓というポンプを持たないため、体の末端から心臓に向かって、筋肉の動きを借りながらゆっくりと一方向に流れています。
流れを逆戻りさせないための弁が備わっているぶん、滞ると自力ではなかなか流れが再開しにくいという性質もあります。
中でも脚は、心臓からもっとも遠く、重力の影響も受けやすい部位です。
長時間の立ち仕事やデスクワークで筋肉があまり動かないと、リンパはより滞りやすくなります。
リンパの流れそのものについて図解でより詳しく知りたい方はリンパの流れを解説した記事を、滞ったときに現れるサインについてはリンパの流れが滞ると起きる症状をあわせてご覧ください。

リンパマッサージで巡りを促すことで、次のような変化が期待できると考えられています。個人差はありますが、日々のセルフケアとして続ける価値のある変化です。
それぞれの効果について、より詳しい仕組みはリンパマッサージの効果を解説した記事でご紹介しています。

自分で行う分、次の点だけは必ず確認してから始めてください。

オイルやジェルがあれば手の滑りがよくなりますが、なくても行えます。力は入れず、手のひら全体を肌に密着させる意識で行ってください。全体で片脚あたり5〜10分が目安です。
さする・もむ・押す・たたくといった手の使い分けの基本についてはリンパマッサージの正しいやり方を図解で解説にまとめています。ここでは脚に絞った実践的な流れをご紹介します。
足首を手のひら全体で包み込むように持ち、両手のひらで交互に膝の裏までさすりあげます。反対側も同様に行います。まず表面をさすることで、この先の手技が入りやすくなります。

足の指と指の間のラインを、指の付け根から足指にかけて親指で押します。反対側も同様に行います。足の甲はむくみが表れやすく、押した跡が戻りにくい方は特に丁寧に行いたい場所です。

土踏まずの真ん中よりやや上にあるところに両手の親指を重ね、体重をかけて押します。反対側も同様に行います。

足首部分から膝に向けて足を両手で挟み込むようにさすりあげます。反対側も同様に行います。ここから先は膝の裏に向けて流していく意識で行ってください。

両手を使い、足首からふくらはぎを膝に向けて、タオルを絞るような感覚でもんでいきます。むくみが気になる方は、このあたりで脚の重さの変化を感じやすくなります。

足首から膝にむかって、ふくらはぎをつまみながら押していきます。反対側も同様に行います。

太ももに手のひら全体を密着させ、膝上から足の付け根にむかって、両手で太もも全体をさすります。反対側も同様に行います。付け根には鼠径リンパ節があり、脚全体の巡りの出口にあたります。

太ももの内側を、タオルを絞るように、両手を交互に細かく移動しながらもんでいきます。反対側も同様に行います。

卵を握るようなイメージで手をくぼませ、太もも全体を1分間たたき続けます。仕上げに行うことで、脚全体の巡りをやさしく後押しします。

ここでご紹介した9つの手順は、経絡リンパマッサージの第一人者であり、リンパマッサージ関連著書70冊を上梓した当院の銀座ナチュラルタイムグループ総院長・渡辺佳子の著書『メディカル・リンパマッサージ』から一部抜粋してご紹介しています。より詳しい内容は書籍をご覧ください。
効果を引き出す考え方や、リンパマッサージそのものの仕組みについてさらに詳しく知りたい方はリンパマッサージとは?効果を最大限に引き出すポイントで総合的に解説していますので、あわせてご覧ください。

銀座30年の施術現場から
ご自身でリンパマッサージを始めた患者様のお体を拝見していると、体感ではありますが、力の入れすぎで変化を感じにくくなっている方が意外と多くいらっしゃいます。
「効かせたい」という気持ちが強いほど、つい強くもんでしまいがちなのですが、リンパはすぐ皮膚の下を流れているため、強い力はかえって流れを妨げてしまうことがあります。
もう一つよく見られるのが、脚だけを頑張ってしまうケースです。脚のリンパも最終的には鼠径部から上半身へとつながっていくため、脚だけでなく全身の巡りとして捉えると、変化を感じやすくなる方が多い印象です。
足すのではなく、巡らせる。自分で行うセルフケアも、その考え方は同じです。
全身の巡りとあわせてケアしたい方は、リンパマッサージの正しいやり方を図解で解説で部位別の手順もご紹介しています。
Q. リンパマッサージは、本当に自分でやっても効果がありますか?
正しい方向・強さ・タイミングを守れば、自分で行うセルフケアでも巡りを促す効果は期待できると考えられています。
ただし、サロンでの施術のように体全体の状態を見ながら調整することは難しいため、この記事の手順を目安に、無理のない範囲で続けてください。
Q. 毎日やっても大丈夫ですか?
1日1回、片脚5〜10分程度のやさしい力であれば、毎日行っていただいて差し支えないと考えられています。
マッサージのやりすぎはかえって負担になるため、回数を増やすより毎日続けることを優先してください。
Q. オイルやクリームがなくても行えますか?
手が滑りにくいと感じる場合は、市販のボディオイルやクリームを使うと行いやすくなりますが、必須ではありません。
手のひら全体を肌に密着させることを意識すれば、素肌のままでも行えます。
Q. 逆に脚が張る・だるくなることはありますか?
強い力で行った直後に、一時的にだるさを感じる方はいらっしゃいます。
多くの場合は数日で落ち着きますが、痛みや張りが長引く場合は、力加減が強すぎるサインと考え、次回はより弱い力で行ってください。
改善しない場合は専門家にご相談ください。
Q. サロンでのリンパマッサージとの違いは何ですか?
自分で行うセルフケアは、毎日続けられる手軽さが魅力です。一方でサロンでは、国家資格を持つ施術者がお体全体の状態を確認しながら、経絡の視点も含めて全身の巡りを整えます。
日々のセルフケアと、専門家によるケアを組み合わせることで、より変化を感じやすくなります。

今回は、脚のむくみやだるさに効く、自分でできるリンパマッサージの9ステップをご紹介しました。
強い力は必要ありません。清潔な手で、やさしく、毎日続けることが何より大切です。
運動や食事など、日々の生活全体のバランスも合わせて意識しながら、無理のない範囲でセルフケアを取り入れてみてください。
セルフケアを続けても変化を感じにくいとき、あるいは脚だけでなく体全体の巡りを整えたいときは、専門家によるケアもぜひ選択肢に加えてみてください。
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長 一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事 東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。 経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。