スマホ首(ストレートネック)の治し方|自分でできるセルフチェックとマッサージ・ストレッチ・ツボ

スマートフォンを見ていたり、テレビを見ている時、つい首が前に出てしまい、疲れてしまうことはありませんか?
長時間、首が前に出ているだけで頭の重さが首や肩の筋肉に負担がかかっています。そうすると、「首が重い」、「首が凝ってきた」と感じる方も多くいらっしゃいます。
実はこの首こりには大きく2種類あります。
ひとつは「首の後ろのこり」、もうひとつは「首の側面のこり」。どちらの筋肉の症状かによってもセルフケアの方法が変わってきます。
30年間、首こりで悩んでいる患者様を診てきて感じることは、首の側面のこりを抱える方が多くなっていると言うことです。スマートフォンが手放せない生活になってからこの傾向に変化しました。
今回は首こり解消にまた一歩近づくため、首こりの原因についてお伝えします。

首こりの原因となる筋肉には、僧帽筋と、胸鎖乳突筋があります。

僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる、首・肩・背中にかけて広がる大きな筋肉です。
「キリスト教の僧侶の帽子の形をした筋肉」であることから、このように面白い名称が付けられました。
首の筋肉の中でも最も表層に位置するので、比較的ケアがしやすく、自分自身でも触りやすい筋肉でもあります。
しかし、この僧帽筋が凝り固まってくると、首の付け根や肩が張り、酷くなると背中にも痛みを感じます。
また、首と頭の境界線から始まる筋肉なので、頭痛とも関連しています。
夕方になると首の付け根がずっしりと重くなる——というのが典型的な僧帽筋がこっているタイプの訴えです。
僧帽筋が主に使用されるのは、デスクワーク・家事・育児・筆記学習などといった、体の前面で行う動作の維持です。こういった動作を長時間続けてしまうと、僧帽筋が過度に緊張してしまい、作業が終わった頃には首肩がガチガチに固まっている…そんな経験をされた方も、いらっしゃると思います。

首こりの原因となる主な筋肉2つ目は、首の側面を走行する「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」と呼ばれる筋肉です。
耳の後ろにある「乳様突起」という頭蓋骨の一部から、途中で二つに別れ、胸骨と鎖骨にそれぞれ付着することから、このような名称が付けられています。
首の側面や前面に張りやこりを感じている方は、この胸鎖乳突筋がこり固まっている可能性が高いです。
そして胸鎖乳突筋のこりは、現代人の中で急激に増加しています。
その理由は、胸鎖乳突筋が頭を動かす筋肉であるためです。特に、やや俯きがちの姿勢を長時間維持する行為…覚えがある姿勢ではありませんか?
デスクワークやスマートフォンの長時間に渡る継続使用により、この胸鎖乳突筋はガチガチに硬くなってしまうのです。
胸鎖乳突筋が硬くなることによる問題は、身体面ばかりではありません。
首というのは、その狭い内部に重要な神経や血管・リンパ管を無数に張り巡らせています。ゆえに急所と呼ばれるわけですが、中でも胸鎖乳突筋は、自律神経と深い関係性を持ちます。

胸鎖乳突筋のこりは、現代人に急増しています。
これは、胸鎖乳突筋が頭を動かす筋肉であり、特にやや俯きがちの姿勢を長時間続けることが主な原因です。デスクワークやスマートフォンの長時間使用により、この筋肉が非常に硬くなってしまいます。
胸鎖乳突筋が硬くなることによる影響は、身体面だけにとどまりません。首の内部には重要な神経、血管、リンパ管が密集しており、胸鎖乳突筋は特に自律神経と深く関わっているためです。
そのため、自律神経の乱れを抱えていたり、メンタルの不安定さ、不眠、集中力の低下をお悩みに持っていることが多いのです。
ナチュラルタイムに来院する患者様にも、『最近なんとなく眠れない』『気分が落ち込みやすい』という方の首の側面を触ると、かなり凝り固まっていることがあります。この筋肉は自律神経と直結しているので、精神面への影響もあると考えられています。

「首こり」と言っても、どこがこっているかによって出てくる症状もセルフケアの方法も変わってきます。まず、ご自身がどちらのタイプか確認してみてください。
【タイプ1】首の後ろのこり 僧帽筋タイプ
デスクワークや家事など、前かがみの姿勢が続く方に多いタイプ。
【タイプ2】首の側面のこり 胸鎖乳突筋タイプ
スマートフォンをよく使う方、ストレスや睡眠の悩みを抱えている方に出やすいタイプ。
両方当てはまった方もいらっしゃると思います。2つの筋肉は連動しているので、一方が固まるともう一方にも影響が出やすいです。首が全体的に凝っている方は、症状の強い方を優先してケアするところからはじめてみて下さい。
チェックが多いほど、首こりは慢性化している可能性があります
チェックの数が多いほど、こりが慢性化し、身体全体への影響が出ているサインかもしれません。「首が重い」「肩がこる」などの症状だけでなく、「なんとなくだるい」「疲れが抜けない」といった全身の不調として出てくることもあります。
東洋医学では、首も経絡が通っています。ここが滞ると、気血水の巡りも滞り、頭部への巡りも悪くなっている可能性も。足の少陽胆経が首の側面を通っていて、ストレスや感情を抑えているとこの経絡にも影響があると言われています。考えがまとまらなかったり、顔色が暗くなったり、目の疲れといった症状も現れます。
ナチュラルタイムの施術後、患者様から『顔がスッキリして肌が明るくなった』『首と肩がふわふわで軽くなった』と言った声もお聞きします。
1.まずは肩に手をおいて大きく肩甲骨を動かしてみましょう。(前回し、後ろ回し各20回)
ポイント! 「首を元の位置に戻して、あごを引くこと。」
2.肩の後ろから、鎖骨に向かって、両手交互にさする。反対側も同様におこなう。(各1分)

3.ツボ「肩井」を押す。首の付け根と肩先を結んだ線の真ん中にあるツボ。
ポイント!「こっているとツーンとひびく」

1.「あごを引いて、ゆっくり首を左右に傾ける」ストレッチ
ポイント! 「頭を傾けている方の手で頭を軽く添えると、より伸びます」
2.首を両手で交互にさする
①耳の下から肩先に向けてさする。(各1分)
②耳の下から鎖骨へ両手のひらで左右交互にさする。反対側も同様におこなう。

3.ツボ「天窓」を押す。顔を横に向けた時に現れる反対側の首に出る筋肉の後ろでのど仏と同じ高さにあるツボ。
ポイント!「ゆっくり息を吐きながら、4本指を添えてゆっくり押しましょう」


首こりを「ただのコリ」と軽く考えてはいけません。首には脳へ向かう太い血管と、自律神経の重要な経路が集中しているため、首の筋肉が固まると首から上のあらゆる不調を引き起こします。
ナチュラルタイムにご来院される患者様の中にも、「頭痛」「めまい」「眠れない」といったお悩みの根本原因が首こりだったというケースが非常に多くあります。代表的な4つの症状を見ていきましょう。
首の後ろ(僧帽筋)が固まると、頭の付け根の血流が悪化し、後頭部から側頭部にかけて重く締めつけられるような痛みが出ます。これが「緊張型頭痛」です。
鎮痛薬で一時的に抑えても、首こりが残っている限り繰り返します。「夕方になると必ず頭が痛くなる」という方は、首こりを疑ってください。
首の側面(胸鎖乳突筋)の奥には、脳へ血液を送る椎骨動脈や、平衡感覚に関わる神経が走っています。
この筋肉が固まると、立ち上がったときのふらつき、雲の上を歩くようなふわふわしためまいが起こりやすくなります。耳鼻科で異常なしと言われためまいの多くは、首こりが関係しています。
意外に思われるかもしれませんが、首こりは吐き気や胃の不快感を引き起こします。
胸鎖乳突筋の緊張が迷走神経(胃腸の働きを司る神経)を圧迫するためです。「肩や首が張ると食欲がなくなる」という方は、まさにこの状態です。
首には自律神経の中枢が通っています。首こりが慢性化すると、交感神経が優位な状態が続き、寝つきが悪い・眠りが浅い・朝起きてもだるい・手足が冷えるといった全身症状に発展します。
「病院では異常なしと言われたけれど体調がすぐれない」——こうした不定愁訴の引き金が首こりであることは珍しくありません。
つまり首こりは、首から始まる全身トラブルの入口。早めに対処することが、頭痛薬・睡眠導入剤・胃薬を増やさない最大の予防策です。

首こりを根本から減らすには、1日に何度も繰り返している悪い習慣を変える必要があります。
30年間、何千人もの首こり患者様を診てきて気づいたのは、「ストレッチを頑張っている人」より、「日常の姿勢を整えている人」のほうが圧倒的に首が楽だということです。
今日から変えられる4つの習慣をご紹介します。
スマホを下に向けて見る角度が60度になると、首にかかる負荷は約27kg——5歳児を一人首にぶら下げているのと同じ重さです。これがストレートネック(スマホ首)の最大原因。
スマホは胸の高さではなく、顔の正面に持ち上げて見るクセをつけてください。電車の中、就寝前、トイレ——「気づいたら下を向いている瞬間」を意識的に減らすだけで首こりは大きく変わります。
パソコン作業中、無意識に画面をのぞき込むように首が前に出ていませんか? これがストレートネックを進行させます。
モニターの上端が自分の目の高さになるよう、ノートパソコンならスタンドを使って上げ、外付けキーボードと組み合わせてください。これだけで首の負担は半分以下になります。
朝起きたときに首が痛い・肩が重い方は、枕が合っていない可能性が高いです。理想は、仰向けで首のカーブが自然に保たれる高さ(多くの方で5〜7cm前後)。
柔らかすぎて頭が沈み込む枕は、寝ている間中ストレートネック状態を作り出します。タオルを畳んで高さを調整するだけでも改善することがあります。
長時間同じ姿勢を続けないこと——これが最大の予防策です。デスクワーク中は、1時間に1回、両手を後ろで組んで天井を見上げるだけでOK。
これだけで縮こまっていた首の前側(胸鎖乳突筋)が伸び、血流が戻ります。スマートウォッチや作業用タイマーを活用し、「強制的に動く時間」を作りましょう。

首こりの多くはセルフケアと施術で改善しますが、まれに病気が隠れているケースもあります。次の症状を伴う首こりは、必ず医療機関を受診してください。
しびれや力の入りにくさがある場合は整形外科、激しい頭痛やめまい・神経症状がある場合は脳神経外科、発熱を伴う場合は内科もしくは救急外来が目安です。
「どこに行けばわからない」場合は、まず整形外科でレントゲン・MRIによる首の状態確認を受けることをおすすめします。
画像検査で異常がないのに首こり・頭痛・めまいが続く場合、原因は筋肉と神経の機能的な問題にあります。これは整形外科の守備範囲ではなく、鍼灸・マッサージなど東洋医学的アプローチが得意とする領域です。
「異常がないと言われたのにつらい」という方こそ、ぜひ一度ナチュラルタイムにご相談ください。
以前は、僧帽筋の緊張による首こり、すなわち首の後ろ側がこっている方が多かったのですが、現在は、首の側面にある胸鎖乳突筋のこりを訴える方が増えていきました。
これは、デスクワークの増加とスマートフォンの登場、それら機器の長時間使用が関係しています。
しかしながら、首の側面のケアはプロでもほぐすのが難しい部位。
「マッサージに行ったけど、すぐにこりが元に戻ってしまった」、「マッサージに行ったけど、余計に痛みが増えてしまった」という経験をされた方も多いでしょう。
首こりの解消は、セルフケアだけでは、なかなかできないのも事実です。ひどすぎる首こりは、しっかりとした見立てと、計画的なケアをしないと、なかなか解消できません。
セルフケアでは、効果が実感できない場合は、お一人で悩まず、首こり治療の専門士にご相談ください。
Q1. 首こりは自分でほぐしても大丈夫ですか?
A.軽く押したり、さする程度は大丈夫ですが、強く揉むことはおすすめしていません。
首は神経や血管が集まる繊細な部位なので、強い刺激をすることで、かえって筋肉が緊張したり、頭痛やしびれにつながることもあります。
セルフケアでは「やさしくなでる・温める・ゆっくり伸ばす」くらいで十分です。気持ちいい程度で行ってみて下さい。
Q2. 首の側面が痛いときは温めた方がいいですか?それとも冷やした方がいいですか?
A.慢性的なこりなら、基本的には温める方がよいです。一方で、急に痛くなった場合や熱っぽさがある場合は、炎症の可能性もあるため冷やす方が適しています。
迷ったときは、「慢性的なら温める、急な痛みなら冷やす」と考えるとわかりやすいです。ただし、冷やしても改善しない場合は、医療機関にご相談下さい。
Q3. 首こりと頭痛は関係がありますか?
A.とても関係があります。首まわりの筋肉が緊張すると、頭の後ろの重だるさや締めつけるような頭痛につながることがあります。日常生活で頭痛をくり返す場合は、頭だけでなく首の緊張にも目を向けることが大切です。
銀座ナチュラルタイムグループ 総院長 一般社団法人 経絡リンパマッサージ協会 代表理事 東京医療専門学校 教員養成科 オイルマッサージ臨床学の非常勤講師を長年務める。 経絡リンパマッサージの第一人者として、海外書籍を含め70冊以上、雑誌などの監修誌は1000誌を超える実績を持つ。TV、雑誌、企業の美容健康関連商品などで多くの監修を手がける。女性のための健康と美のセルフケアの普及、鍼灸マッサージ師の臨床教育などにも力を入れている。また、自らの臨床経験を生かし、健康や医療、予防医学の大切さをライフワークとして伝え続けている。さらに、身近な美容やダイエット、食事や生活を通じて、ベビーやママ、女性たちの幸せな毎日を応援している。